インデックス投資全般

資産泡立つ!)レバナス人気化は投信バブルの象徴か?

2021年11月20日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

先に結論を書きます。

 

『レバナス』の人気化は
資産バブルのひとつの象徴だと思います。

 

マーケットという複雑系は
知れば知るほど余計に分からなくなります。

が、ひとつだけ「確かなこと」がありまして、
それは真ん中の状態
すなわち適温の状態のほうが少ない、ということ。

資産市場の状況は、

 

高温) 明らかに価値 < 価格 に。
低温) 明らかに価値 > 価格 になっている。

 

どちらかの状態が過半を占めます。
今は「どっちですか?」と聞かれれば『高温状態』だと言わざるを得ないでしょう。

 

 

もちろんこれは「悪い」ことではありません。

資産市場は人間の本性が出る場所で、
ギラギラした「欲望」が制限なく解き放たれるからこそ、マーケットはここまで発展できたわけです。

 

以下、2017年からの「ナスダック100指数」のチャートです。

 

画像元:FRED

 

スゴイですね。

 

2021年9月1日の終値が『15637』  
2017年1月3日の終値は『4911』 4年半あまりで指数は3倍以上になっています。

 

「ナスダック100指数」とは
米国ナスダック市場の時価総額上位102社からなる、ハイテク企業の殿堂です。
そうそうたる銘柄が並びます。ただし金融関連の会社はありません)

 

昨年コロナ禍という予想外の特需が起こり、
また金融政策の超緩和も相まって、
情報通信・ハイテク関連企業の株価はうなぎ上りとなりました。

そしてSNS界隈では最近
『レバナス』という言葉が沸き立っています。

レバナス?

違います(笑)

 

「ナスダック100指数」の
1日当たりの値動きの『2倍』の値動きを目指す
「iFreeレバレッジNASDAQ100」という投資信託が人気なのです。

 

(運用は大和アセットマネジメント。
ファンドの中身には株価指数の『先物』を用いています。)

 

レバレッジ・ナスダック100なので『レバナス』。

昔からよくある
レバレッジ型(ブル型)の投資信託です。

(11月17日から同様の投資信託の運用を
楽天投信投資顧問も始めたようです。
『楽天レバレッジNASDAQ-100』)

 

 

 

先ほど、
資産市場ではギラギラした「欲望」が制限なく解き放たれる。と述べました。

ナスダック100自体の値動きもけっこう「大きな波」ですが、それに信用(クレジット)を被せて、『2倍の値動きにさせよう!』というのはかなりアグレッシブ(それだけ大きなリスクを負うことになります)

 

が、時代の要請?もあります。

 

ヒトは意味もなく、欲望を沸騰させたりはしません。

高騰する『資産』が目の前にあるからこそ、小さな欲望が増幅するわけです。また、増幅させようとする、一部金融機関側の「思惑」もあります。

 

仮にあなたが『レバナス』に投資して半年の間に、たとえば『スリムS&P500(米国株式)』以上のリターンが得られたりすると、その情報は拡散され『レバナス』人気はさらに沸騰します。

 

ためしにYouTubeで『レバナス』と検索して
どんな動画がUPされているかチェックしてみました。

 

 

・【最適化】レバナスのリターンを最大限に活かす投資方針【現金比率】
・130%ルール!レバナスが大暴落しても平気で乗り越えられる戦略
・レバレッジNASDAQ100買い増し基準を検証してみた!
・【投資信託】積立日を変えるだけで〇万円も差が!?【レバナス】
・【不安になったら】失敗しない!あなたを助ける究極のレバナス投資術【見てほしい】

 

スゴイですね。

 

 

誤解がないよう申し上げると、
レバレッジ型(ブル型)の投資信託は昔からあって、一部の愛好家に根強い人気があります。
それは稀代のリスクテイカーを自認する投機好きの人たちのことです・・。

 

問題は、
初心者の人でも、

たとえば「スリム先進国株式インデックス」と同列で『レバナス』を物色し、安易に購入してしまう雰囲気になっている点でしょう。

 

(つい先日もツイッターで、
『スリムにするか、レバるか、どっちにしよう?』という文言を見つけました。)

 

あるいは、
もともとポートフォリオ思考を有していた人の中にも、

 

いつの間にか
先進国株式という
「大きな部分」としての投資対象から、

・全米株式や、
S&P500株式に投資対象を移し、

そのうちマーケットの高揚感に便乗して、
ちょっと気持ちが大きくなり、

・S&P500株式に投資していた一部を
iFreeレバレッジNASDAQ100に移し替えたというような人がいて・・、

 

まさにこのような事象が、

資産泡立つ!『バブル的現象』と思えてしまうのです。

 

 

バブル的現象とは、
・信用(クレジット)が肥大化し、
・初心者が多く参入して、
・過剰なリスクを負いながら、
・そのリスクに気付いていない状態を指します。

 

華々しい直近の成績が、
私たちの欲望に「火」を付け、
独特の「高揚感」が辺りを包み込むわけです。

これは・・

『いつか来た道』です。

わたしにも覚えがあります。

 

「価格が上がっているのに、なんで買わないの?」「もう○○○(商品名)だけで良くない?」みたいな『空気』が出来始めていると感じるのはわたしだけでしょうか・・?

 

 

ちなみに、レバレッジ型ETFやレバレッジ型の投資信託を5年、10年持っても、もとの指数の値動きの「2倍」の成績を得ることはできません。

 

〇 当該商品は明らかに『短期保有』向けツールです。
金融庁もこちらでレバレッジ型・インバース型ETFについて、内閣府令の改正概要を公表しています(注意喚起が付け加えられています。なおレバレッジ型、インバース型投資信託も、商品構造は同じです)

 

マーケットが上下を繰り返す中で、レバレッジ型商品を保有し続けると、もとの商品設計から大きく乖離してしまい、長期では原指数よりリターンが劣る可能性すらあります。

 

 

 

また『保有コスト』(運用管理費用)も高めになります。

以下、金融庁の改正概要からの引用。

 

一般的に、先物取引コストを負担しているほか、先物取引の期限(限月)を乗り換える際に、リスクが生じる

 

あるいはテクニカルな話ですが、
レバレッジ型ETFはマーケットが開いている間、いつでも取引が可能ですが、レバレッジ型の投資信託は1日に1度しか「値段」が付きません。

 

 

『レバナス』の場合、

たとえば11月18日(木)に申し込んでも、
―その時点で前日の「ナスダック100指数」は確認できますが、この値は反映されません。―

その翌日の19日(金)朝になって、
米国時間18日の指数が確定し、そこから為替レートも反映して、
『レバナス』の基準価額(約定する価格)が決まるため、

 

『機動性に欠ける』というハンデが存在します(売却時も同様です。)

 

 

あるいは運用会社は、
『レバナス』を積み立てるという奇怪な?方法を紹介したりしていますが、

そもそも「短期」で
自身の相場観に基づいて「売り買い」する類の商品であるので、積み立てするのにはまったく向いていません!

ここは声を大にして申し上げたいです。


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