インデックス投資全般

レバレッジ型ETFを長期で持った場合の悲しい末路について

2020年11月12日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

あなたも名前だけは聞かれたことがあるかもしれません。

レバレッジ型ETFとか、インバース型ETFとか、
ブル型ファンドとか、ベア型ファンドとか。

 

たとえば一例ですが、
日経平均株価の1日あたりの値動きの「2倍」を目指すETF、

あるいは、
1日あたりの値動きの「マイナス2倍」を目指すETFなどがあります。

前者は『日経平均レバレッジETF』、
後者は『日経平均ダブルインバースETF』と呼ばれます。

 


こういう商品を買って
うまく予想が当たれば、
すごく儲かりそうな雰囲気がありますよね?

あるいは投資信託はどうでしょう?
「SBI 日本株4.3ブル」
「SBI 日本株3.8ベア」のようなファンドが存在しています。

ブルとはレバレッジ型、
ベアとはインバース型のことです。

 

 



(Bull → 牛。角を突き上げるため上昇の象徴。
Bear → 熊。手を振り下ろすため下落の象徴。)

 

この種の商品はETF、投資信託いずれのケースも
株価指数の『先物』を組み入れて運用されます。

(商品の特性は、ブル・ベア型投信も、
レバレッジ・インバース型ETFも基本同じです。)


今日は「日経平均レバレッジ」、
「日経平均ダブルインバース」を例に挙げますが、

この種の商品は、長期間保有すると、
想定されるパフォーマンスからのかい離が発生します。

大事なことなのでもう一度、言いますよ。

〇 この類の商品は
長く持ち続ければ持ち続けるほど、
想定されるパフォーマンスから大きくかい離していくのです。

 

下図をご覧ください。

『レバレッジ型・インバース型指数の長期推移』(2005年1月31日~2015年3月13日)



画像元:ライブスター証券


グラフは『日経平均株価』と
『日経平均ダブルインバース(-2倍)指数』と
『日経平均レバレッジ(×2倍)指数』の、

それぞれの『値動き』を示しています。
(期間はおよそ10年間。)


結構、衝撃的な数字ではないでしょうか?


なぜなら、
あなたが「日経平均レバレッジETF」に投資して期待するのは、
日経平均株価の『2倍の値動き』であるはず・・。

ところが上図を見ると、

日経平均株価という原指数より日経レバレッジ指数のほうが、
逆にパフォーマンスが悪くなってしまっています。

「あれ・・?」

 

 

このように、原指数(たとえば日経平均株価)が、アップダウンを繰り返すほど、想定されるパフォーマンスからの『かい離』は顕著になってしまうのです!


でも、考えてみれば、その理由は明白でしょう。

冒頭わたしは、

日経平均株価の1日あたりの値動きの「2倍」を目指すのが、
日経平均レバレッジETFです。と申し上げました。

 

1日あたりの値動きですから、

この種の商品はいずれも、
明確に、
『短期でトレードするためだけのモノ』なのです。

 

 



 

ブル・ベア型投信も、
レバレッジ・インバース型ETFも、

2営業日以上持ち続けると、
想定されるパフォーマンスからかい離し始めます。

「iFreeレバレッジ NASDAQ100」も、
「楽天日本株4.3倍ブル」も「楽天日本株3.8倍ベア」も理屈は同じです。

このような商品を意味なく長く持ち続けると、
想定外の悲しい末路が待ち受けているのです・・ご用心、ご用心。

 

お知らせ)

当クリニックでは「個別カウンセリング」(オンライン)を通じて、
iDeCo、つみたてNISA、ポートフォリオの組み方について
具体的にアドバイスさせていただきます。

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