ポートフォリオ運用, 投資家の感情リスク

資産パトロール隊、雇っていますか?(今こそ『リ・バランス』を!)

2021年11月7日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

売るべきか、
売るべきでないか・・?

迷っている人、いませんか?

 

投資信託の価格が高くなり過ぎて、
含み益が順調すぎるほど増えて、
なんだか「そわそわ」している。

 

 

ファンドを(一部、あるいは全部、)売りたくなってしまう『症状』は、多くの人に見られます。

あなたの資産をパトロールできるのは? 他ならぬ「あなた自身」ですね。

(実は)
売るべきか、
売るべきでないか・・ではなく、

『少し売る』のです。

??

 

 

放ったらかしのインデックス運用と云っても、最低限の『メンテナンス』は必要でしょう。

 

自身で個々のファンドを組み合わせる人は、
株式部分の「割合」が、
自分のイメージより大きくなってしまっているはず。
それを、
「もとに戻してあげる」ことをリ・バランスと云います。

 

・日本株式、新興国株式と比べて、
先進国株式の割合が増えすぎていませんか?

資産パトロール隊

・先進国株式を一部売って、
日本株式、新興国株式を買い増す

 

あるいは、

・先進国株式を一部売って、
先進国債券、日本債券、
日本株式、新興国株式を買い増してあげる

資産パトロール隊

 

 

「でもカンさん。アメリカ株式(先進国株のメイン)が順調に上がり続けているんだし、そのまま放置でも良いのでは?」

 

ん? ホントにそうですか?

(たとえば)お仕事が順調だからといって、
寝る間も惜しんで『仕事オン』の時間をひたすら増やします?

仕事のonとoffのバランス同様、
あなたの資産全体も、
自分の裁量で(意識して)調整してあげる必要があります。

 

・先進国株式を一部売って、
日本株式、新興国株式を買い増すのは、

当初の、
リスクを分散させることに留意した「体制」に戻してあげること。
何より「バランス」を重視した「型(かた)」に戻してあげること。

 

 

続いての『具体例』行きますよ。

ざっくり「全世界株式」と「預金」で資産を構成している人は、

 

・全世界株式を一部売って、
手元の預金を買い増しする。

 

その通り。

でも上記を実践するには↑

預金(安全資産)と
全世界株式(リスク資産)の【保有割合】をこうしよう!と決めておかなければなりません。

「えっ、まだ決めていない?」

 

では、今決めましょう。

 

安全資産とリスク資産の『基本比率』を決めることは、骨太の『投資姿勢』を心定めすることです。とっても重要。

 

 

今、安全資産:リスク資産 = 1:9 になっていて、
『基本比率』を 安全資産:リスク資産 = 3:7 に定めると決めたら、

ズレている分だけ、
リスク資産(今の場合、全世界株式)を売りましょう。

 

ズレている分だけファンドの売却ができたら、
不思議とこの「過熱相場」もそんなに気にならなくなります。

 

(なぜなら、自分はやるべきことはやっているという『納得感』があるから。)

 

 

そして、夜ぐっすり眠れます。

ズレを・元に戻すだけ。

 

極端に順調なマーケット、
極端に増えているリスク資産の数字を「きっかけ」に、

根っこの『投資姿勢(比率)』を定め、
これを機に「リ・バランス」をしておこう!と思えるのは、明らかにオトナの印でしょう。

 

まさにあなた自身が、
あなたの資産の『パトロール隊となるのです。

 

 

ふつう、あなたの資産がどんどん増えていけば、
その「高揚感」を引き継いで、
あなたもハイになってしまいます。

そして、
あなたの資産がどんどん減る状況だと、
その「停滞感」を引き継いで、
あなたも後ろ向きになってしまいます。

 

これはまさに、

 

あなたと、
あなたの資産が
密(みつ)になってしまっている状態・・。

 

資産パトロール隊を雇うとは、
あなたが
自分の資産の『傍観者』になるということ(運用の客観化、です)

 

今回は初回のリ・バランスですが、
以後、たとえば12月とか6月とか、

年に1回「月(つき)」を決めて『リ・バランス』しましょう。
あなたが、できるだけ忘れにくい月がいいと思いますよ。

何も特別なルールはありません。
ひたすら規則性・継続性を重視しましょう!

たとえば、リスク資産が現状から5%以上ズレたら「リ・バランス」するというような適宜性、迅速性は必要ありません。

 

年に1度だけ、
パトロール隊として、
あなたの資産を「定期点検」するのです。

年に1度のクルマの「点検」と同じ。

 

最後に、
積み上がった資産が概ね500万円以上の場合、

 

たとえば毎月4万円の積立ての中で、
個々のファンドの『積み立て割合』を変えても、まとまった資産ベースでの「リ・バランス」は(残念ながら)出来ません・・。

 

※ 仮にできたとしても、
とても時間がかかってしまい、
結局また資産の割合はズレてしまいます・・。

 

 

〇『リ・バランス』とはまとまったお金ベースで、
上がり過ぎたファンドを一度に売り、割合が減ったファンドを一度に買い増す行為を指します。

 

今のような過熱相場は、リ・バランスの『一大チャンス』なのです。

 

〇 投資信託クリニックは、
資産価格の高騰を『バブル的現象』と捉え、
個人投資家が過度なリスクを負うことに警鐘を鳴らしています。

カテゴリ:ポートフォリオ運用, 投資家の感情リスク

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