確定拠出年金(iDeCo・企業型)

どうしてiDeCoの商品ラインナップは七癖あるのか?

2021年1月18日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

iDeCoには所得控除というメリットがあります。
また、60歳前には引き出せないことから、
長期投資になじみやすいという特性があります。

しかし、相談者さまからは
窓口金融機関ごとの商品体系、ラインナップの中身に「ばらつき」があって、どうも分かりづらいという声をお聞きします。

ハイ、それには理由があるのです。

1.(そもそも)商品数に限りがあるため

 

つみたてNISAの登録商品数は188本です。

一例ですが楽天証券では
つみたてNISA・取り扱い商品数は168本にもなります。

ところが楽天証券における
iDeCoの取り扱い商品数は・・?

32本のみです。


実はiDeCoでは商品数に
「一金融機関」あたり『35本』という上限があるのです。
(これは企業型DCでも同じ)

iDeCoのラインナップには基本、
定期預金も債券ファンドもバランスファンドも入っていますから、

仮にあなたが『株式ファンド』の組み合わせを考えたとしても、そのパターンはかなり限られてきます。

 

2.(たとえるなら、)
2001年製のテレビと2019年製のテレビが共存している。


一例ですが「スルガ銀行」の商品ラインナップを見てみましょう。
(計33本。インデックスファンドの品揃えなども豊富にあります)

実際、iDeCoという名称が出来る以前は、
「個人型・確定拠出年金」の窓口として
スルガ銀行はおススメの金融機関のひとつでした。

 


が、今は・・?

ラインナップにある「先進国株式」の、「インベスコMSCIコクサイ・インデックス・ファンド」の運用管理費用をご覧いただくと、

「0.77%」と、けっして高くはないですが、もはや低コストとは言えない手数料水準になっています。

(プラス、口座を管理するためのコストが月446円もかかります。
金融機関独自の管理料がゼロであれば月の負担は171円で済むのです。)


ただ、間違いがないように。

スルガ銀行は
早くから個人型・確定拠出年金に参入しているのですよ。
(この企業努力は褒めてあげるべき。)

しかし、そのために、
商品の『ラインナップ』が古くなっていることも事実・・。

 




iDeCoは『年金制度』ですから、
実際たくさんの人が「インベスコMSCIコクサイ・インデックス・ファンド」を積み立てているわけです(60歳以降の受給を目指して)

iDeCoの窓口金融機関として、
よりコストの安いファンドが出てきたからといって、
ビジネスライクに「はい、インベスコMSCIの取り扱いは止めます。今後は新しくラインナップした、こちらのインデックスファンドで積み立ててくださいね」とは(制度の趣旨上)行かないわけですね。


(つまりは、iDeCoにおいては商品の入れ替えがなかなかしづらいのです。「35本」という上限の縛りもありますし。

 



いっぽう「楽天証券のラインナップ」や「マネックス証券のラインナップ」をご覧いただくと、
よりコスト体系が低いファンド群が並んでいることが分かります。

その理由は・・?

単純に両社のiDeCoへの参入が遅かったためです。


3.商品の起源がさまざまである。


iDeCo、企業型DCとも「確定拠出年金」として登場したのは2001年のこと。

最初の頃は「確定拠出年金専用のファンド」も多かったのです。
そう、DC専用ファンドです。

言い方を換えると、
通常の課税口座(特定口座)を用いて、銀行や証券会社で購入できる投資信託とは違う「投資信託」が、けっこうあったということです。

その中には、
ちょっと羨ましくなるくらい運用管理費用が低いインデックスファンドもありました。

「あーあ、〇〇の確定拠出年金はいいな、コストが安いファンドがたくさんあって!」というセリフも実際聞かれました。



そのうちに、
iDeCoや企業型DCで運用されているファンドの一部が、「一般ルート」でも買えるようになりました。

また逆に、一般ルートで販売されていた人気の投資信託が、
「iDeCo」でもラインナップされるという形も起きています。
(eMAXIS Slimシリーズとかそうですね)

 



 

ただここ数年、通常の特定口座(一般ルート)を通じて購入できるインデックスファンドが『超低コスト化』したため、
それに慣れた投資家の目から見ると、
iDeCoの『商品ラインナップ』にはイマイチ感が漂うケースが増えているのが最近の傾向ではないでしょうか。


上記のような事情があるため、
金融機関ごとのiDeCo商品ラインナップには「ばらつき」があるわけです。


さて、仮にあなたがiDeCoに加入済みとしましょう。

・今の金融機関の商品ラインナップそのもの
・ファンドの運用管理費用の高さ
・その金融機関の管理手数料に不満があるなら、

かつ、あなたがまだ20代、30代、40代なら、
思い切って窓口となる金融機関そのものを変える手があります。


手続きがやや煩雑で、数ヵ月かかり、今まで積み上げたファンド資産をいったん現金化する必要はありますが、「これまでの期間」より「これからの時間の長さ」を重視されるのなら、行動を起こす意味合いは十分あると思います。


カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)

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