投資信託あれこれ

「投資信託の価格は低いほうが得!」というのは間違いですよ

2020年5月12日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。 

あなたは今、すごく『焼き肉』が食べたいです。
が、手元にあるお金は1,000円だけ。


あなたなら、以下どちらの焼肉を選びますか?

A 100グラム 250円の肉
B 100グラム 500円の肉

 

・・悩みますね。




当然ですが、Aを選べば、
400グラム肉が食べられます。
(でも、味はそこそこ・・)

Bを選べば、
Aより美味しい肉になりますが、
食べられる量は200グラムだけ・・。

 

 




では、投資信託はどうでしょう?

 

「1万円」のお金で、
AファンドかBファンドかを選ばないといけないとしましょう。

 

Aファンドの価格 5,000円
Bファンドの価格 10,000円 です。


(※ ここでは「分配金」は存在しないとします)



価格が安いAファンドのほうが、
同じ1万円の投資額でもより多くの『口数』が買えます。

Aファンドを今買えば、『口数』が2口買えますね。

いっぽう、Bファンドを選べば、
『口数』は1口しか買えません(-_-;)

 

「カンさん、これなら安いAファンドを買ったほうが得ですよ!」

 

いいえ、別にそんなことはありません。



投資信託を買う目的は?
そのファンドの【価値】が上昇して、
最終的に「儲かったね!」を実感することです。

 

 

 

で、ファンドの価値って
・・どう計算するの?


カンタンです。

投資信託の場合、それはいつでも【価格×口数】です。



仮にAファンド、Bファンドともに、
その価格が10%、上昇したとしましょう。

 

Aファンド 5,000円 ⇒ 5,500円に。
Bファンド 10,000円 ⇒ 11,000円に。

 


でも、
Bファンドの保有口数は『1口』だけ。
一方、Aファンドでは『2口』保有しています。


では、あなたの【投資成果】は?


(= 両ファンドの『評価額』はどうなる?)

Aファンド 5,500円 × 2口 = 11,000円
Bファンド 11,000円 ×   1口 = 11,000円


同じです!


この場合、
Bファンドは『1口』しか保有していませんが、価格が10,000円ですから、10%の上昇で11,000円となり、この『価格』の部分が評価額の上昇に寄与します。

一方、
Aファンドの場合、価格が5,000円ですから、
10%の上昇でも5,500円となるのみ。

ただし『2口』保有していますから、
この『口数』の部分も評価額に寄与します。

 

 



 

 

ファンドの価値 =【価格×口数】を意識しておけば、

ファンドの価格とは、
投資信託の評価の【片方のみ】であることが実感できるはず。

 



さらに、
ファンドの価格が4,200円でも、
あるいは39,600円でも、

その『数字』そのものに意味はありません。

なぜなら多くの投資信託は「分配金」を出しており、
ファンドの基準価格は、
ファンドの成績すら表していない場合が多いのです。


えっ!?



また単純に、まったく同じ投資対象の
まったく同じタイプのインデックスファンドでも、

価格が8,200円の場合と、29,600円の場合があります。

えっ!?

(※ ここでは「分配金」は存在しないとします)

 



この理由は単純で、
単に『運用をスタートさせた時期』が違っているためです。


すなわち、
Aファンドの価格 5,000円
Bファンドの価格 10,000円

「どっちのほうが得?」という問いかけ自体が(ほんとうは)ナンセンスなのです。

 

 




よく任天堂の株価 45,000円が
高いか安いかが議論されますね。

これもあまり意味がありません。

なぜなら、結局のところ、
任天堂の今後の『利益の推移』いかんで
今の株価の評価は変わってくるためです。


(最後に、)ここに基準価格10,000円でスタートした
『先進国株式インデックスファンド』があるとしましょう。

今、ファンドの価格が 121,700円です!

(※ ここでは「分配金」は存在しないとします)

 

わたしは全然高くないと思いますよ。

なぜなら当該ファンドは
1987年11月1日に運用をスタートさせているためです。


ファンドの価格が 121,700円だからといって、
日本以外の22カ国の先進国の大企業(1300銘柄)が、
もうこれから先、成長しないと思われますか・・?

 

 

 

 

おまけ)
ファンドの価格が20,000円だと、
「手元に2万円ないとその投資信託は買えない」ということではありません!
たとえばSBI証券では基準価格が28,000円のファンドも
100円」からつみたて投資できます。
これは100グラム2000円の黒毛和牛を、
100円分だけ5グラムだけ)買えるのと同じ感覚なのです。

 


 _/\/\/\/\/\_
 \        
 < 6月13日()は【ファンド特化コース in 東京】
 / ライブでは『最後』となります。       
  ̄|/\/\/\/\/ ̄

iDeCo、つみたてNISAにも
投資信託の【正しい知識】は必須!

 

当コースでは1日をかけて
「投資信託の用語」「ファンドの数字の見方」
「運用レポート」「運用報告書」の読み方を学びます。

(買ってはいけない投資信託ワースト10もあり!)

 

 6月13日()東京・田町「森永ヴィレッジ会議室」
 ファンド特化コースの詳細はコチラからどうぞ! 

カテゴリ:投資信託あれこれ

おすすめの記事