金融機関にモノ申す

SBI証券が野村證券を追い抜くなんて・・

2020年2月1日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

表題の件ですが、
わたしは
SBI証券が野村證券を追い抜く日が来ると考えています。



まず、現状を見てみましょう。

1.【口座数】

 




画像元:野村證券

 





画像元:SBI証券


SBI証券は463万口座(19年3月末)
野村證券は533.5万口座(19年6月末)

だいぶ近づいてきましたね・・。
『口座数』として追い抜くのは数年内に可能かもしれません。


ちなみに、
株式会社としての規模を示す

2.【時価総額】ですが、

 




画像元:ウィキペディア

こちらは、
SBIホールディングスが、
野村ホールディングスの32%程度です。

(こちらも決して届かない距離ではありません・・)


ところが
3.【預かり資産残高】を見ると、状況は一変します。

 

 




画像元:野村證券

 





画像元:SBI証券


SBI証券の12兆9000億円に対して、
野村證券は122兆円3000億円

野村證券のほうが『10倍近く』多い!

 

上記公開情報に基づく
SBI証券の「一口座当たりの預かり資産額」は平均約278万円です。

いっぽう野村證券のそれは約2294万円もあります。

 

「ぜんぜん違います・・(><)」

 

 

公開情報にはありませんが、
野村證券の顧客の平均年齢はかなり高く、
(おそらく70歳近い?)

ご資産を多くお持ちの方が多いのでしょう。


ところで、今日のお話のポイントは、
『有店舗証券会社の平均顧客年齢は、かなり高い』というところにあります。

 

 


以下、こんなシミュレーションをしてみました。

2020年。

 

野村證券に口座をお持ちの90歳の人が亡くなられて、
60歳の人が、
その資産を引き継がれたとしましょう。

そういう人たちが「100人」居たとします。

 


その中で、
わざわざネット証券に、

自分たちの資産を移すのは
何人くらいなのでしょうか?

100人のうち、20人くらい?
(いや10人程度・・?)



時代が下って今から10年後。

90歳の人(今は80歳です)が亡くなられて、
60歳の人(今は50歳です)が、
同じパターンの経験をされたとします。

このとき、
ネット証券に
自分たちの資産を移すのは、
100人のうち何人くらいでしょうか?

100人のうち、20人くらい?
(いや、もっと多くて30~40人?)

 

 

 

 

あっ、もちろん、
時代が下るほど、資産を引き継がれる人の中で
すでに投資を経験している人の「割合」も増してくることでしょう。

 

時代が下って今から20年後。

90歳の人(今は70歳です)が亡くなられて、
60歳の人(今は40歳です)が、
同じパターンの経験をされたとしましょう。

このとき、
ネット証券に
自分たちの資産を移すのは
100人のうち、何人くらいだと思われますか?

100人のうち、50人くらい?
(いや、もっと多くて60人を超える・・?)



ちなみに今40歳の人は、

おそらく学生の頃から
Windowsが載ったパソコンで
諸々の作業などをこなしてきた世代のはずです・・。


有店舗型の証券会社から
ネット証券に資金の移動が起こる際、

一人当たりの預かり資産額が大きいため、
資金流出の際の「インパクト」も大きくなってしまいます

そんなこんなを踏まえて、
わたしはSBI証券が野村證券を追い抜く日が来ると考えています。

 

【追記】2021.05.19 今はこんな状態になっています(口座開設者数)

 


画像元)ITmediaビジネス

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