100年ライフプラン

大相続時代がやってきた! その3)

2019年12月18日

こんにちは。
投資信託クリニック代表の カン・チュンド です。

今回は
資産(バトン)を渡す人の立場に立って考えてみます。

渡す資産があるというのは立派なものです。
それを築いて管理してきただけで
けっこうなお仕事であるわけですから・・。


今ある資産の「さまざまな塊」を、
「どのように分けるのか」については、

バトン(資産)を受け取る人たちで考えてね!
という気持ちも分からなくはありません。


が、

 

○ 2000万円の投資信託とか、
○ 1000万円の現金とか、
○ 不動産とか、株式とか、
○ 金・貴金属という『資産』の、

その【分け方】を巡って
あらゆるところで問題が起きているのも(また)事実です。

 

 

傍から見るよりずっと、
【どう分けるのかという点について、
複数の人間の間で合意すること】って難しいのです。


資産を『分ける』という点で、
主導権を握るのは(もちろん)資産を遺すほうの人です。

被相続人が【遺言】をきちんと残してくれれば、

それが親の意思(メッセージ)であり、
相続人たちも、その気持ちを尊重しやすいもの。

 

 

 


バトンを渡す人の
【考え方・スタイル】がまずありき。

バトンを渡す人 = 被相続人が自分の価値観に従い、
分け方をしっかり【指定】してあげるべきなのです。


わたしはバトンを渡す人は、
毎年『遺言』を書き換えるべきだと思います。

 

 

そして、毎年、『遺言』を書き換えていることを、
子供たち(孫たちに)【公言】すべきだと思います。

 

これ(公言)こそが、
子らに対する『メッセージ』なのです。



○ おい、
ちゃんと自分たちで頑張って生活しているのか。

○ おい、
親(自分)のことをちゃんと気にかけているか。

○ おい、孫の顔をちゃんと見せに来いよ。

〇 おい、ちゃんといろいろ見てるんだぞ!云々・・。


繰り返しになりますが、
相続における【主導権】は、
『遺す立場にある人』にあります。



そして、
【資産ポートフォリオ】とは、
あなたの資産管理の「設計図」であると同時に、

自分自身が
この世からサヨナラするときに、
次世代に遺す【マネー・ラストメッセージ】でもあるわけです。

 

 




たとえば、
お孫さんが被相続人の資産内容
(ポートフォリオ)を見て、

 

「なんでじーじは、
しんこうこく株式ファンドなんて持っていたの・・?」

 

って思うかもしれません。


次に『子どもの立場』からの話ですが、

「あのさ、父さん、
ぼくは不動産にはまったく興味がないんだよ・・」とか、


資産を引き継ぐ立場からそんなこと、
なかなか言えません。

「ワタシ、投資とかぜんぜん興味ないから。
株式とかの類は出来れば「一切なし」にして欲しいなあ・・」

とか、

やっぱり【タブー】であり、
言ってはいけないのでしょうか?

 



 

重々承知しています、

親子の間だからこそ、
【お金の話】をするのって、とっても難しいと・・。

 

だいたい、

⇒ 子供のほうから親の資産について
「何が好き、何がキライ」なんて言うと、ヘンな目で見られそうであります。


(資産を当てにしていると思われるのも心外ですし・・)


が、わたしは敢えて申し上げたいのですが、

「父さん、
ぼくは不動産にはまったく興味がないよ・・」とか、

「株式のたぐいはなしにして欲しい・・」 も、

一応『お金のこと』をトピックにした
【親子の会話】だと思いませんか・・?


● わたしは、
仲のいい親子ほど、

ある程度突っ込んで【その種の話】をしたほうがよいと思います。

 

 

兄弟間でも、
親子間でも、
【その種の話】をあまりにもしないため、

かえって『トラブル』になるケースが増えているのではないでしょうか。

 

 


 


バトン(資産)を渡す人はくれぐれも、

 

「あとは(残された者同士が)話し合って、
うまく(資産を)分けてくれるはずだ・・」

 

という 希望的観測 を抱かないように。

 


バトン(資産)を受け取るほうも、

 

「わたしの親は、ワタシの立場や、希望を汲んでくれるはずだ」

 

という 希望的観測 をゆめゆめ抱かないように。


出来れば、親子間でも、
お金について話し合う機会を持つべきなのです。

・・もうすぐ「お正月」ですし(^^)


最後に、FPの立場から申し上げましょう。

相続の一部前倒しのことを「生前贈与」と云います。

バトン(資産)を渡す人は
(あくまで無理のない範囲でですが、)
これを考慮してみられてはいかがでしょう。



「生前に・連続して贈与していく」ことの利点は、
受け取る側が、
ひとかたまりの資産(ストック)とはならずに、

定期的な流れる資金(フロー型)としてお金を認識できる点です。(ムダ遣いしにくい・・)


贈与されたお金は一部、
「つみたて投資」に回すことをお勧めします。

このシリーズの冒頭で申し上げた、

『相続』の発生が後ろにズレてきている21世紀は、
バトンを一部、元気なうちに渡し始める戦略が重要になってくるのです。

〇 大相続時代がやってきた! その1)
〇 大相続時代がやってきた! その2)

 

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