中国(ちゅうこく)ファンド、グロソブ、オルカン!
2024年7月8日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
土曜日の『インデックス投資ナイト2024』第3部で、印象的だった言葉があります。
登壇者のおひとり、
元日経新聞記者、YouTuberでもある高井宏章さんが言われていた言葉。
これまで3度、ブーム、社会現象となった投資商品がある。
それが、中国(ちゅうこく)ファンド、グロソブ、オルカンなのです。
高井さん曰く、
金融商品として
○○の名前を数多の人が知っている状況を『社会現象』と呼ぶのだそう。
つまり、
オルカンの場合も、
なんだかよく分からないけど、
「ニーサ、オルカン」って言っているから買っている・・。
そういう分析なのです。
ちなみに、
上の高井さんのことばは、
わたし(司会者)の、
「どうしてこんなにオルカンが人気なのですか?」という質問に対する回答であります。
中国(ちゅうこく)ファンド、
正式名称:中期国債ファンドが世に出たのが1980年のこと。
当時は今より金利がうんと高く、
1~5年満期の国債(いわゆる中期国債)でも、それなりに利回りが付いていました。
まさに元本確保型の金融商品として一世を風靡したのです。
昔こんなCMもありました。
次にグロソブとは、
グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)のこと。
主に先進国の国債等に投資を行い、毎月分配金を出します。
世にいう『毎月分配型ファンド』でいちばん売れた投資信託。いや、悪名高き、という枕詞を付けたほうがよいでしょう。
私見ながら、
グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)は、
間違った『インカムの概念』を多くの消費者に植え付けてしまった原罪があると考えます。
そんなグロソブの全盛期は
2005年~2007年頃。
当時も今と同じく円安が進み、
かつ先進諸国の金利も高く、
いわゆる「タコ足」で分配金を出しても、基準価格が維持されるという不思議な状態が続きました。
純資産残高のピークは2008年の約5兆7000億円。
そこから下りに下って、24年7月5日現在、純資産額は約2839億円です。
そしてオルカンこと、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)。
興味深いことに、
「社会現象」を起こした3つの金融商品、
☑中国(ちゅうこく)ファンドは
野村、大和、山一、日興などの
立派な店舗がある大手証券会社が販売窓口でした。
☑続いてグロソブは、
地方銀行、信用金庫などが主要な販社となります。
(これも「有店舗」です)
☑そして時代が下ってオルカンは、
SBI証券、楽天証券などの『ネット証券』が主な販売会社です。
40数年の長い時間軸で見ると、
ブームとなった金融商品が、
↓
「先進国債券」
↓
「全世界株式」というふうに、
その投資対象がよりグローバルに、
かつ、よりリスクが高いものに移行しているのは、『進化』と呼んでもよいのではないでしょうか?
もちろん、商品のコストも大きく下がっていることを含めて。
願わくば、
中身はよく分からないけれど「とりあえずオルカン」から、中身はだいたいイメージできたから「オルカン」!
に、
消費者の『思考回路』が変容していけばよいと思います。
〇 参照記事
『オルカン』を買っておけばOKという理屈的な根拠が分かりません(お客様からのご質問)
カテゴリ:投資信託あれこれ