投資、はじめの一歩を踏み出そう!【パート2】
2023年5月2日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
【パート1】の続きです。
多くの人が
投資 = 複雑怪奇なこと。
というイメージを抱くのはなぜでしょうか?
株式市場そのものが
「摩訶不思議さ」を有しているからかもしれません。
神出鬼没でさっぱり予測できない!」
これは、その通りだと思います。
大企業の取締役でも、
世界10傑に入る大富豪でも、
はたまた一国の大統領さえも、
株式市場の動きをコントロールすることは出来ません。
それ自体、巨大で(かつ)不可解な生き物のようです。
特に『短期』で見た場合、
株式市場はさっぱり分かりません。
わたしはたまたま資産運用の相談業を営み、マーケットと付き合い始めて20数年が経ちますが、
ということが
ようやく分かってきた次第です(笑)
しかし、
長期(おおむね20年超)の時間に置き直すと、不思議なことに気付きます。
株式市場のリターンは
その国の経済成長率(+アルファ)に落ち着いていくのです。
<これを『平均への回帰』と云います>
つまり?
「赤ちゃん」のように振る舞うが、
「紳士」のように振る舞うのです。
この認識はたいへん重要!
言い方を換えると、
あなたが
短期のメガネをかけるか、
長期のメガネをかけるかで、
市場で『見える景色』が違ってくるわけです。
『赤ちゃん』のように
次の動作がまったく読めないマーケットで、短期的にあなたの資金を投入するより、
『紳士』としての特性のみにフォーカスして、
どっしり構えてマーケットと付き合う(= 長期投資)ほうが理に適っていると思いませんか?
<大事なPointは?>
株式市場との付き合い方を定める必要がある。
ということ。
たとえば、
『短期の変化は見ない。
短期のマーケットの動きは無視する。』
といったルール付けは有効でしょう。
以下は米国の代表的な株価指数「S&P500」の、
1928年以降の毎年毎年の結果リターンです。
※株価指数はその市場の『平均値』とお考えください。
プラスの年もあればマイナスの年もあります。
そしてその出現の仕方もばらばらです。
特にご注目いただきたいのは、2000年からの3年間です。↑
よーく見ると、
なんと2000年から3年連続で
『市場平均』(S&P500)がマイナスのリターンに沈んでいます。
が、ココでも大切なことは?
市場との付き合い方を決定すること。
(もしも)あなたが
長期のメガネを掛ける(= 長期投資)ことに徹していればどうでしょう?
同じS&P500の過去リターンを見ても、
マイナスの年より、プラスの年のほうがうんと多いんだ。
これなら安心かも。」
と、心を落ち着かせることが出来るはずです。
世の中はどろどろと、
キラキラと、
どっちつかずの混合です。
株式市場でも喜怒哀楽がひしめき合いますが、
大切なのは、
あなたがマーケットの『どの面』にフォーカスして付き合うのか、ということ。
あなた自身が『長期投資』にフォーカスできれば、
「長く持ち続けていれば、」
「それなりにお金は増える」という、
身も蓋もない言い方で恐縮ですが、
単純に「市場に居座りつづける」ことなのです。
別に寝ていても構いませんが(笑)
長期投資とは、
「市場に居座りつづけること。」
が、これは、
文字で書くほど簡単なことではありません。
なぜなら『長期投資』では
不規則な値動きに惑わされ、
「船酔い」することがしばしばあるためです。
(ときに非常に居心地が悪くなります)
私たちは大きな変動や、
資産価値がマイナスになることに過剰反応する「心のクセ」を持っているため、そのようなことが実際に起こると、心情的に『不快』になります。
それに、です。
実際、株式市場が激変すれば、『市場のクラッシュ!』『暴落!』みたいな言葉とともに、周り(メディア・SNSなど)がセンセーショナルに騒ぎ立てたりしますから、
あなたの感情をコントロールするのが余計に難しくなるのです。
しかし、投資を続ける限り、
『船酔い』をゼロにすることは出来ません。
『船酔い』に慣れるしかないのです。
そして少しずつ、
リスクに対する『耐性』を養っていく・・。
地味に聞こえるかもしれませんが、
無名で(しかしながら)賢明な投資家は、
『市場』と折り合いをつけてきました。
平凡にコツコツ続ける愚直さこそが(まさに)投資の王道であり、
二晩眠ったら、
魔法のように資産が増えるなんてないわけです。
実は、
今申し上げた、「長期の」投資は、
個人投資家にとって大切な【投資の三大原則】のひとつです。
【三大原則】とは・・・?
長期・分散・低コスト です。
続く・・)
カテゴリ:投資の発想法