投資信託が『運用期間』を定めているのは、ファンド業界が殿様商売だった頃の名残り?
2023年1月25日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
インデックスファンドを
コツコツ積み立てているあなたからすると、
ファンドそのものの運用可能期間が
「10年」とか「15年」だけ!
つまり、
投資信託の『存続期間』が
あらかじめ決められているなんて、
ちょっと
理解しがたいと思います。
その感覚、100%「正しい」です。
例えば
2040年に閉館が決まっている葬儀会館にわたしは予約なんて入れません。
『だっていつ死ぬか分からないですから!』
投資信託という商品も、
4年後、なにかの事情で売るかもしれないし、
もしかすると向こう38年くらい持っているかもしれないわけです。
『どれくらい保有するか分からないわけですから!』
ファンドの運用期間【信託期間】をあらかじめ定める事は、ファンドの保有者(消費者)を軽視し、投資信託をビジネスとして捉えている、資産運用業界側の都合です。
少しうがった見方になりますが、
ファンドの『新発売時』に、
購入時手数料でうんと稼げばよい。とか、
万一ファンドを買ってくれる人が少なかった場合には、まるでフェイドアウトするようにファンドを満期償還できるし。という安易な思惑のために、
運用する期間を
「5年」とか「10年」とか「15年」に区切っているとしか思えません。
信託期間(運用期間)が最初から決められた投資信託は、完全にスルーしてよいと考えます。
(ところで、)世の中には色々な投資信託がありまして、中には「情報通信革命0101」というファンドのように、
最初1999年~2014年の「15年間」を運用期間としておきながら、
『5年延長』(~2019年まで)
また『5年延長』(~2024年まで)というふうに、
せせこましく運用期間を少し(また少し)延ばしている投資信託もあります。
業界全体として、
薄利多売的な精神が抜けきれていないのです。
投資信託は、そんなものじゃ、ありません。
水瀬ケンイチさんの有名なことばがあります。
投信事業は、
個人投資家の人生をも左右する、
言わば「人生のインフラ事業」です。
まさにその通り。
ファンドを「資産形成」の道具と見なす賢明な投資家は、
投資信託を積み立て始めるとき、
こころのどこかで
「もしかすると一生に近い付き合いになるかも?」と無意識に思っているかもしれないのです。
その感じ方は100%正しい。
最後に、
最初は運用期間「無期限」と定めていたものの、途中から運用期間「2024年まで」に変更してしまったファンドもあります。
nantes(ナント)さんの
ブログ記事に詳しいです。
これも私たちにとってはリスクですね。
ナントさんはこう仰っています。
安定的に資金流入があるファンドを選ばないと、こういうことになるという見本になってしまいましたね。
まさに。。
ファンドの大きさ(純資産額)が
順調に増えているか否かは、
月次レポートの『グラフ』を見ればすぐに分かりますよ。
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カテゴリ:投資信託あれこれ