すべての運用会社は「高齢化」を避けたいのです
2022年10月5日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
仮にあなたが東南アジア、
フィリピンとかベトナムとかカンボジアの
「新築マンション」に投資を検討しているとしましょう。
いちばん気を付けないといけないのは
『出口』のところです。
東南アジアの一部の国々ではまだ、
あるいは
・投資対象として「マンション」を購入する。
という文化が根付いていないため、
仮に
あなたが「投資用マンション」を買った。
⇒ それを5年経って売りに出す時、
『中古のマンション市場』が
十分に育っていない可能性があります。
どこの国でもそうですが、
長い時間の経過を経て、
たくさんの「マンション」が供給されればされるほど、
市場(マーケット)の規模としては、
新築マンション < 中古マンション となっていくわけです。
これは「投資信託」も同じです。
市場の規模、
すなわち「純資産総額の大きさ」でいえば、
圧倒的に、
新発売のファンド < 既存のファンド
であるはずです。
(ある程度、投資信託の文化が浸透してくれば。)
日本でも
資産形成のための「長期投資」が根付きつつありますから、
今後ますます低下していくことでしょう。
30代、コツコツつみたて投資続けています。
40代、つみたて金額も少し増やせそう。
ボーナスやまとまったお金を
投資信託に回す人もいるでしょう。
ファンド保有者に占める
『現役世代』の比率が高いままなら、
資金の流入が続きますから、
マーケットの好況・不況に関わらず、
投資信託の「純資産総額」は増え続けるはずです。
『市場規模』がだんだんと大きくなり、
ファンドの販売会社、運用会社の報酬も増えていくビジネスモデルとなります。
では、
ファンドの運用会社が恐れる事とは?
『平均年齢』がどんどん上がっていくことでしょう。
わたしは今回、
「つみたて投資の終わり方」を書いて改めて思ったのですが、
これから先、
若いファンド保有者の『層』が大して伸びず、
「つみたて投資」を終了し、
ファンドの取崩しを恒常的に行う『層』がだんだんと、その比率を増してしまうと、投資信託の市場規模はジリ貧になってしまいます。
(なぜなら「メイン層」の取り崩しが続いてしまうため。)
ファンドの販売会社、運用会社の報酬も減っていくビジネスになります。
そう・・
投資信託の運用会社は、
ファンド保有者の『高齢化』を是非とも避けたいのです。
「つみたてNISA」などが典型ですが、
このような税制優遇制度を啓蒙するのは「若年層」を取り込んで、現役世代の資金を呼び込むためであり、
業界にとって(それは)『死活問題』なのです。
今の20代、30代に
直接『希求』していくことも大切でしょう。
が、もっと本質的には、
(急がば回れ、ではないですが、)
今の30代、40代の層(親世代)を通じて、
その子どもたち、
生まれたての赤ちゃんに、
ファンドを持ってもらうような『文化』を育てるべきなのです。
かつてはパブロフの犬的に、
子どもの教育資金は・・
「学資保険」!でした。
「ファンドの積立投資で」!に変えていくわけです。
『未成年者口座』を用いた「ゼロ歳」からのつみたて投資です>
マクドナルドの戦略と同じですね。
(小さい時から
マックのハンバーガーに親しんでもらう。)
またこれは個人的なアイデアですが、
65歳以上の人が
未成年者に投資信託を贈与する際に、
税制優遇を設けるのも得策だと思います。
生まれた瞬間から死ぬ瞬間まで
何気に投資信託を持ち続けるって
別に奇抜なことでもなんでもないのです。