投資信託のコストを下げるのは、節約のため?
2022年6月2日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
最近「アマゾン・プライムビデオ」が充実してきたので、「ネットフリックス」を解約しようかどうか迷っています。
節約のキモは『固定費』にあり!
ということで、
毎月の出費(コスト)は少額でも
長期で見ると馬鹿にならないのです。
暮らしの中で様々なコストが点在する中、
「何を優先順位『上位』にするか?」はとても重要。
削れるところは削って
支出にメリハリを付ける必要がありますね。
たとえば投資信託のコスト、
運用管理費用(%)なども、
暮らしの中では『費用』と見なされがちです。
手数料を節約する?
コストを削る?
「それってどのくらい気にするべきものなの?」
もしも自分が気に入ったファンドがあって、
そのファンドの成績がそこそこ良ければ、
昭和な「おじさん精神」が顔を出して、
「結果がそこそこ良ければ、
それくらいの費用(コスト)って払ってもいいんじゃね?」
とどや顔で呟きそうになります。
投資信託のコスト(運用管理費用)って果たして費用なのでしょうか?
いいえ。
投資信託のコストを下げるのは、
あなたのリターンを「上げるため」です。
投資信託の運用管理費用は、
運用会社や販売会社にとっては
「取りっぱぐれのない確実な報酬」です。
何しろファンド資産から『毎日』差し引いてくれますから。
あなたが金融機関側に
多めの運用管理費用を支払えば、
それは
『名目リターン』のうち
あなたの取り分が(それだけ)少なくなるということ。
金融機関側の「取り分」を多くすることに他なりません。
投資信託のコストを下げるのは、
あなたのリターンを「上げるため」ですから、
自分のお金が実質「どのくらいのスピードで増えるか」に直結する問題なのです。
運用管理費用 年1%
あなたの実績リターン +7%
運用管理費用 年0.2%
あなたの実績リターン +7.8%
その年の名目リターンが「マイナス」の場合も同じ。
運用管理費用 年1%
あなたの実績リターン マイナス6%
運用管理費用 年0.2%
あなたの実績リターン マイナス5.2%
違いますよね?
年単位の差はごくわずかですが、
コストとは「マイナスのリターン」のことですから、
一年一年の実績リターンの違いは
(長い目で見ると)複利で大きな違いを生みます。
ネットフリックスを止めて月額料金を払わなくなっても、コナミスポーツクラブを止めて月会費を払わなくなっても、
その『効果』が複利的に膨らむことはありません。
ココが、
投資信託の運用管理費用との違いなのです。
以前にこんなツイートをしたことがあります。
13年前の拙著「積立て投資術」では、
— カン・チュンド@インデックス投資アドバイザー🙋♂️ (@4649kang) January 4, 2022
先進国株式として「STAM グローバル株式インデックス・オープン」をご紹介。信託報酬は年0.63%でした。
同じ指数との連動を目指す「ニッセイ外国株式インデックスファンド」は今、年0.1023%の信託報酬。
この『進化』こそ投資ビギナーの間口を広げた原動力😊
この10数年で
劇的に下がったインデックスファンドの『運用管理費用』。
このメリットは絶大で、
同じ大きさの名目リターンなら、
よりコストが低いファンドを選ぶだけで、あなたのリターンはかさ上げされるわけです。
知っていますか・・
今を時めくインデックスファンドの雄「バンガード」ですが、
ファンド運用を始めて間もない頃は、
平均の年間経費率が年0.89%もあったのです。
投資家の『リターン』を引き上げるために
コスト軽減のたゆまぬ努力を続けたその過程(プロセス)も、立派なひとつの歴史なのです。
カテゴリ:投資信託あれこれ