投資信託あれこれ

当クリニックが斬る、良くない投資信託の具体例

2022年5月7日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

今日はタイトルのまんまです(笑)

 

〇 毎月分配型ファンド

 

成長途中の「リンゴの木」から、
毎月「リンゴ」をもぎ取ってしまうと、リンゴ自体が育ちにくくなりますね。

毎月分配型ファンドは
もっとも複利の効果が期待しにくい金融商品のひとつです。

 

 

 

 

それに、この種のファンドでは、
あなたが運用会社に
分配金という「キャッシュ」を毎月用意させることになります。

 

そう・・、「余計な仕事」を頼むことで、
ファンドの継続コストも余計にかかってしまうことに。

 

 

〇 運用期間が予め決まっているファンド

 

例えば、
2022年5月16日から
2032年5月15日までの『運用期間』。

みたいなファンドのことです。

 

よく考えてみますと、

運用する期間を、

私たちが
投資信託のほうに
「合わせないといけない」ってヘンだと思いませんか?

 

それに、

2022年5月16日から
2032年5月15日までのように

予め「運用期間」が決まっていると、

 

万一、2030年の11月時点で、
当該ファンドの純資産額が21億円くらいしか集まっていなくて、ファンドの成績も悪くて、
ツイッターで検索しても、
もはや誰からも「呟かれない」投資信託になってしまっていたらどうでしょう?

 

 

 

 

もしもあなたがこのファンドの
【ファンドマネージャー】だとしたら?

一体どんな気持ちになるでしょうか・・

 

「どうせあと1年半くらいしかないんだから、適当に流して運用しておこうかなぁ・・」という気持ちにならない自信がありますか?

 

 

運用期間が予め決まっているファンドは、

運用はしているけれど、
「すでに死んでしまっている状態」になるリスクを内包します。

 

米国の投資信託で、
「ターゲットイヤー型のファンド」を除き、
運用期間が予め決まっているファンドを

わたしは見たことがありません。

 

 

 

 

あっ、ちなみに誤解がないように・・。

『純資産額』が少ないことと、
ファンドの『成績』が悪いことは直接「関係」しません。← ココ、重要。

 

純資産額とは、
投資信託の規模、大きさのこと。

ファンドの成績を表すのは
投資信託の基準価格の推移や、騰落率の数字です。

 

ファンドの大きさと、
ファンドの成績は『別物』であるのですね。

 

 

たとえば純資産額が1兆2000億円あっても、
ファンドの成績そのものは平凡であるというケースは、決して珍しくありません。

 

 

〇 購入時手数料がかかるファンド

 

(自信を持ってNO!と言いましょう)

 

 

 

 

購入時手数料そのものが、

かつて固定電話に入るときに、
「電話加入権」といって
まとまったお金を支払う必要があったのと同じくらい、昔の用語になりつつあります。

 

 

〇 ラップ型のファンド

 

投資信託の運用管理費用と
投資一任の管理手数料が、
『ダブル』で「継続的に」かかってきます!

 

 

〇 海外積立ファンド

 

長期の積立契約に拘束される可能性あり。
情報開示、コストの中身が不透明。

 

 

〇 運用管理費用が高いファンド

 

もちろん要りません!

概ね運用管理費用が年0.4%以下のインデックスファンドを選びましょう。

 

 

 

 

あっ、これも質問で時々いただくのですが、
同じ投資対象のインデックスファンドなら、
基準価格が高いファンドのほうが『優秀』というのも間違いです。

 

たとえば、
ふたつの「外国株式インデックスファンド」があるとしましょう。

(どちらもMSCIコクサイ指数との連動を目指します)

 

Aの基準価格は・・38000円で
Bの基準価格は・・19000円となっていますが、

(※ここでは分配金はないものとします)

この差は単に『いつ運用を始めたのか?』の違いであり、
ファンド運用の優劣を示すものではありません。

 

 

〇 ファンド・オブ・ファンズ形式を
巧妙に隠しているファンド

 

これも残念ながらしばしば見かけます。

 

こちらの記事に詳しく書きました(^^)

悪質なファンド・オブ・ファンズ形式の投資信託はどうしてなくならないのか?(ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月決算型)が純資産額第1位なんて恥ずかしいことです・・)

 

 

〇 保険会社が作り手である
変額保険、変額年金保険

 

上記製品は、投資信託が内包された保険商品であります。
保険関連費用と、ファンドの運用管理費用がかかり、年間コストが非常に割高になります!

 

 

 

 

最後に・・

 

〇 レバレッジ型(ブル型)ファンド
インバース型(ベア型)ファンド

 

超短期のトレード向け商品であり、
保有すればするほど、本来の目的から大きく乖離していきます。

また基本「先物」を買い繋いでいくため、継続コストもそこそこ高くなります。

 

いかがでしょうか?

残念ながら
投資信託の世界では、
まだまだ「粗悪品」が多いのが実状です。

消費者側がより賢くなって、
確かな『鑑識眼』を養うしかないのです。くれぐれも注意しましょう!

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