そろそろ『普通分配金』のみを「分配金」としませんか?
2022年3月21日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
わたしは専門家として、
たくさんの投資信託を見るというより
(ひとつのファンドを)「時系列」で
長く追いかけることを心掛けています。
「ピクテ新興国インカム株式ファンド」(毎月決算型)は2008年の設定です。
毎月『分配金』が出るよ、というのがウリの投信ですが、
最初の頃はたしか月の分配金を60円ほど出していたと思います。
それが2019年の運用レポートを見た際には
月の分配金が15円になり、
今さっき見ると22年2月現在では
月の分配金が5円になっています。
分配金 60円 ⇒ 15円 ⇒ 5円
まあ、それはそうでしょう・・。
投資信託が稼ぎ出した利益以上の「お金」を、
自らの体を切り刻むように、
毎月『分配金』を出すことを優先したため、
3月18日現在の、
「ピクテ新興国インカム株式ファンド」(毎月決算型)の基準価格は
1893円にまで下がっています。
画像元:ピクテ投信投資顧問
ご承知の通り、
投資信託は通常「基準価格 10000円」からスタートします。
あなたがファンドを保有し始めた時点から見て、
利益からではなく、
元本から出された分配金のことを『元本払戻金』といいます。
「ピクテ新興国インカム株式ファンド」(毎月決算型)をはじめ、
これまで、
元本部分も含めて吐き出してしまう
『毎月分配型ファンド』の悪弊が繰り返し指摘されてきましたが、
実はこのような悪弊は簡単になくすことが出来ます。
「えっ、どうやって?」
『分配金』と規定し直せばよいのです。
そうすれば、
わが身を削ってまで
「お金」を吐き出すことはなくなります。
(シンプルだと思いませんか?)
投資信託がその内部で得た
配当、利息、値上がり益などの
「利益」の中からのみ出す分配金のことを『普通分配金』と云いますが、
こうすれば、文字通り
『分配金』=「普通分配金」となります。
「そんな大きな変化、
実施できるのかしら?」
とあなたは思われるかもしれませんが、
分配金は初めから、
『普通分配金』のみなのですよ・・。
〇 こちらの記事もご参考に!
悪質なファンド・オブ・ファンズ形式の投資信託はどうしてなくならないのか?(ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月決算型)が純資産額第1位なんて恥ずかしいことです・・)
カテゴリ:投資信託あれこれ