資産泡立つ!)わたしがビットコインを買わない理由 その2)
2021年11月25日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
クリプトカレンシーは、
カレンシーという名が付いているくらいで、
※ Currency(通貨)
文字通り、仮想空間上の『通貨』です。
ここでは具体例としてビットコインを挙げますが、
人々に便利さ、効用をもたらしていると思いますか?
どうでしょう・・?)
仮に、です、
三井アウトレットパークに行って
「ビットコイン」が使えるとして、
あなたはビットコインでモンベルの靴を買うでしょうか?
ちゃんと『0.00257ビットコイン』と値札も貼ってあるとします。
わたしなら買いません。
なぜならビットコインは「価格変動」が大きすぎて、
タイミングによっては
すごく安く買えるかもしれませんが、
とんでもなく高く買わざるを得ないかもしれないためです。
『通貨』として適しているのでしょうか?
今年5月、ウォール・ストリート・ジャーナルに興味深い記事がありました。
『仮想通貨、世の中で役立つ日は来るのか』
サブタイトルが意味深です。
合法の商取引では人気出ず、身代金を要求するハッカーには欠かせない
「どこで人気化してるんだ!」と突っ込みたくなりますね(笑)
昨日、わたしはこう述べました。
それが暮らしの中で生かされてこそ、はじめて「価値」を生じます。
今はまだ、ビットコインは『通貨』として機能していません。
投機的資産という色合いが強いです。
たとえば『株式』という資産がおそらく典型でしょうが、
任天堂という会社が、
世の中にもたらしている効用の大きさと、
その株価は「正の相関」にあるはずです。
ビットコインの黎明期は、
新たなテクノロジー(ブロックチェーン技術)に基づいたプロダクトとして、社会に効用をもたらすと信じ、これを持とうとした人が過半を占めていたはず。
ところがその後、何が起こったか?
「何やら一儲けできそうだ!」という匂いを嗅ぎ付けた生粋の投機家たちが、「値上がり益」を求めて殺到すると、価格はうなぎ上りになっていったわけです。
『金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―』(板谷 敏彦著)から引用してみましょう。
18世紀のミシシッピ会社のバブル現象を記しています。
「根拠は単純でした。
投資家はミシシッピ会社の事業はよくわからなかったが、
株価が上がるのだから良いものに違いないと考えました。
そして良いものだからこそみんなが買い、株価が上がるのだ、と。」
これって・・・
『いつか来た道』ではないでしょうか?
(当クリニックでは暗号通貨を現状「投機」であると見なし、資産形成の道具としていっさいお勧めしていません。)
今ビットコインを保有する人の多くは
「今ワタシは儲かっている!」と感じておられるでしょう。
遠からずビットコインを「転売」して、
自身の利益を確定させるという『出口』を思い描いていることでしょう。
が、その人が儲かるためには、
今の段階だと、
1ビットコイン57000ドル余りで買ってくれる人が「存在」しなければなりません。
それがバブルの崩壊です・・。
暗号通貨の種類が多すぎるのも気になります。
これは自動車産業の黎明期に、米国で200社以上の自動車会社が興ったのと同じ構図ではないでしょうか?
また今後、コロナ禍が落ち着けば、欧米諸国で「政策金利」が上昇に転じる可能性が高いことも、暗号通貨にとっては向かい風です。
(ゴールドと同じで、暗号通貨にインカムゲインはなく、その期待は値上がり益のみであるため。)
あるいは税制面に目を向けてみますと・・。
日本ではビットコインの譲渡益は「雑所得」にあたるため、税率がかなり高くなっています。
売りたくても売れない人が相当数おられるのでは・・。
仮の話ですが、
ビットコインなどの暗号通貨の譲渡益が源泉分離の課税体系になれば、値上がり益を確定 → 売却する人が殺到する可能性があります。
最後に、各国の中央銀行が
「デジタル通貨」の整備を急いでいることも見逃せません。
中央銀行(集権的国家単位通貨)の『バトル』はまだ始まったばかりです。
仮に国が発行する「デジタル通貨」が
商取引の多くを席巻してしまえば、
『通貨』としての暗号資産は大きな壁にぶち当たってしまいます。
わたしはしばしば起こる「バブル的様相」を、
・無意識の集中が起こり、
・当たり前の楽観がはびこる現象 と捉えています。
今のビットコインはまさにその様相を呈しており、従ってわたしはビットコインを買うつもりはありません。
わたしは最終的には、
暗号資産と国家単位の『通貨のバトル』は、
分散型の暗号通貨(無国籍通貨)が勝利すると考える人間です。
超長期では『国民国家』は消えゆく運命にあり、それはヒトの進化の過程で当然起こることだと考えています。
資産価格の高騰を『バブル的現象』と捉え、
個人投資家が過度なリスクを負うことに警鐘を鳴らしています。
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カテゴリ:投資の発想法