つみたて投資の『デメリット』は? フローの人からストックの人になるということ。
2021年10月25日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
昨日の記事の続きとなります。
つみたて投資のデメリット「3つ」めは?
『フローの人』から『ストックの人』になってしまう。
少し説明が必要ですね(^^)
カウンセリングでよく申し上げるのが、
「つみたて投資は上がってもうれしい。下がっても嬉しい!」というセリフ。
たとえば、
まだリスク資産が
100万円とか200万円程度のときは、
マイナス20%、
マイナス25%の大きめの下落が起こっても、
ニコッと笑って
『口数がたくさん買える!』=『チャンス』と素直に思えます。
それは、
これから積み上げる『つみたて原資』のほうがうんと大きいためです。
(同じつみたて金額でも
ファンド価格が下がってくれたほうが
「仕込みの量」= 購入できる口数が多くなりますし。)
換言すれば、
積み上がったリスク資産が200万円程度だと、
毎月のつみたて金額の「存在感」がまだまだ大きいのです。
あなたは『フローの人』!
例)毎月5万円「つみたて」
資産残高 200万円
ところが、これは物ごとの摂理ですが、
つみたてを止めずに続ければ、
誰もが『ストックの人』に近づいてきます。
あなたが「つみたて投資」を始めて17年が経ち、
月5万円、ボーナス時40万円(年)のつみたてをずっと励行したために、いつの間にか運用資産が2000万円!になったとしましょう。
もうあなたは既に・・『ストックの人』!
例)毎月5万円「つみたて」
資産残高 2000万円
月5万円のつみたて金額に比べて、
積み上がった資産の額「2000万円」の存在感が圧倒的に大きくなるのです。
さらにつみたて投資を続け、
スタートから23年が経ち、
例)毎月5万円「つみたて」
資産残高 3600万円 まで資産が増えました。
マイナス20%の大きな下落が起こっても、
=『チャンス』と、果たして思えるでしょうか?
それはあなたの『年齢』によるでしょう。
具体的には
〇 あとどれくらい『つみたて原資』を積めるかに依ります。
すでに62歳で、
リタイアまでの『つみたて原資』はあと220万円程度なのか、
はたまたあなたはまだ50歳で、
リタイアするまでの『つみたて原資』はまだ1700万円相当あるのかで、
マイナス20%の大きな下落の『意味』が違ってくるわけです。
ココ、伝わっていますか?
これは誰もが『通る道』なのですが、
・『ストックの人』になればなるほど
・『リタイア』が近くなればなるほど
毎月のつみたて金額の「存在感」は薄れ、
また、つみたて投資の「メリット」も逓減してくるのです。
先ほどの例)
毎月5万円「つみたて」
資産残高 3600万円
だと、
ファンド価格が「20%」下落すると、
たしかに月5万円の「つみたて金額」で、より多くの口数が買えますが、
資産残高が3600万円 ⇒ 2880万円になってしまう・・というインパクトのほうが「強烈」になりませんか?
これが『ストックの人』になるという意味なのです。
ちょっと「せつない」ですが、避けられない現実です。
カウンセリング事例を振り返って実感するのですが、
一人ひとりの「つみたて投資人生」の中でもっとも難しいのは、
―ここでは「積み立てている期間」に限定しますが、―
『ストックの人』になったあとの、
積み立ての「幕引きの仕方」なのです・・。
購入平均単価が下がるというのは「間違い」です。
上記決してデメリットではないのですが、
誤った説が流布している点ではつみたて投資家に迷惑な話です。
昨日ご紹介した
半値になっても儲かる「つみたて投資」の著者
星野泰平さんも言っておられますが、
『つみたて投資』をすれば、
総じて購入単価が低くなる、というのは(実は)おかしな表現です。
規則的に買い続ければ、
『平均購入単価』は上がっていきます。
ですよね?)
当然ですが、価格が下がり続けるものを「つみたて」し続けても、リターンがプラスになることは永遠にありません。
あなたには「投資対象」として、
超長期でプラスの収益を上げてきた株式、
それも広く世界に分散を施した「株式」をメインに据えて積み立てを続けてほしいのですが、
あなたの『平均購入単価』は上がっているはずです。
それが自然な姿なのです。
最後に、つみたて投資に出会われてまだ5年未満の人へ。
難しく考える必要はありません。
『口数』×『ファンドの最新価格』で導けます。
当面、今まで積み上がった資産より、
毎月積み立てていく『つみたて原資』のインパクトが大きいですから、ファンド価格が上がっても下がっても、気にせず「つみたて投資」を続けましょう。
つみたて投資では、
「運用資産」が積み上がるのと
「あなた」が投資に熟練していくのは『同時進行』ですから、
大きなアップダウンに出会うまでには『時間的な猶予』があります。← ここがつみたて投資の長所。
つみたて投資のキモは、
どのくらいのスピードで
資産を積み上げていくかの【決定】であり、
それはあなた自身が
どれくらいの時間があれば、投資家として成熟できるかと関わっているのです・・。
Twitter(スペース)でも同じテーマでお話しています(^^)
— カン・チュンド@インデックス投資アドバイザー🙋♂️ (@4649kang) December 9, 2022
カテゴリ:つみたて投資