投資信託あれこれ

年0.5%の運用管理費用も積もり積もればけっこうな額に・・

2021年9月24日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

世の中には
「家事代行サービス」というものがあります。

投資信託は言ってみれば
運用代行サービス』のようなものです。

 

たとえばS&P500指数との連動を目指すインデックスファンドは、大きな袋の中に「505社の米国大型株」を保有しますが、
あなた一人で505社の株式をバランスよく買って持ち続けるなんて不可能ですから、運用の実際を『第三者』に任せるわけです。

 

ただし、
運用会社の人たちに「仕事」をしてもらうと
それなりの『手間賃』を支払う必要があります。

⇒ それが【運用管理費用(信託報酬)】

【運用管理費用】は
私たちが投資信託を持つ限り『継続的に』かかってきます。

 

 

それはそれでよいのですが、

その『継続コスト』が
投資家のリターンにどの程度影響を及ぼすかについて、
あまりにも無頓着な人が多いと感じます。

 

ナザールさんがたいへん分かりやすい記事を書かれています。
投資信託の手数料が資産に与える影響を調べてみた

 

積立投資は複利効果で資産が増えていきますが、
手数料も複利で増えていきます。

 

言われてみれば「なるほど・・」ですね。

以下、ナザールさんのツイートです。

 

 

運用管理費用(信託報酬)がたとえ年0.5%でも
積もり積もれば、けっこうな「お金」を支払うことに・・。

 

でも、です。

あなたは今日、
自分が持っているファンドから
本日分の『運用管理費用』をいくら支払っているって実感ありますか?

 

自動で引かれるので支払っている実感がない

 

そうなのです。。

 

コナミスポーツクラブに支払う月会費6600円は
会費として別途自分が支払うので、
『コスト負担してるなぁ・・』と感じやすいです。

ところが、
投資信託の運用管理費用は、
自分が持っている『ファンド資産』から直接差し引かれるので、
        (自分が差し引くわけではない。↑)

自ら払っている手数料なのに
自ら負担していると感じにくい・・。

 

 

費用を徴収する側からすると?
理想的な手数料の取り方をしています。

 

この信託報酬の表示は通常年率でされていますが、実際は毎日計算されて資産残高から差し引かれているのです。

 

そう、毎日引かれます!

たとえば運用管理費用年0.5%のインデックスファンドは、365日で割ると1日あたりの負担は約0.00137%です。← なんと小さな数字!

これくらいのパーセント、
自分のお財布から抜かれてもなかなか気づかないのでは・・。

 

そういえば、
昔セミナーでこんな言い回しをしていました。

 

この運用管理費用というコストは、
毎日毎日株式市場が閉じたあと、だいたい午後4時過ぎに、
その日「一日分」の費用を、
みなさんに知られないようにこっそり、
まるで超薄切りスライスチーズのように差し引かれています。
そして、「一日分」の運用管理費用を徴収したあとに、
その日の、投資信託の『基準価額』が決まるのです!

 

ホントです。

 

 

塵も積もれば山となる、ではないですが、
投資信託の運用管理費用は
ファンドが儲かっていても損していても、変わらず「パーセント」で引かれます。

1年間のファンドの名目リターンが「プラス8%」あった年は、
別に【運用管理費用】で「年1%」払っても
あなたの「実績リターン」は7%ですから、悪くはありません。

 

ただ、1年間のファンドの名目リターンが「マイナス10%」であった年は、
そこから【運用管理費用】で「年1%」支払うと、
あなたの「実績リターン」はマイナス11%になってしまいます。

 

その負担は川の流れに岩が削られるように少しずつ少しずつ、あなたの実績リターンを侵食していくのです。

 


最後に【運用管理費用】は「運用会社」だけでなく、
「販売会社」にも継続的に支払っていることをお忘れなく!

(あと受託会社(信託銀行)にも支払います)

ですので、
ファンドの購入時手数料が「ゼロ」になっても、販売会社に一銭もお金が入らないわけではありません(どうぞご心配なく・・(^^)

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