年0.5%の運用管理費用も積もり積もればけっこうな額に・・
2021年9月24日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
世の中には
「家事代行サービス」というものがあります。
投資信託は言ってみれば
『運用代行サービス』のようなものです。
ただし、
運用会社の人たちに「仕事」をしてもらうと
それなりの『手間賃』を支払う必要があります。
⇒ それが【運用管理費用(信託報酬)】
【運用管理費用】は
私たちが投資信託を持つ限り『継続的に』かかってきます。
それはそれでよいのですが、
その『継続コスト』が
投資家のリターンにどの程度影響を及ぼすかについて、
あまりにも無頓着な人が多いと感じます。
積立投資は複利効果で資産が増えていきますが、
手数料も複利で増えていきます。
言われてみれば「なるほど・・」ですね。
以下、ナザールさんのツイートです。
【30年で支払う累計手数料一覧表】
— ナザール@暴落お兄さん (@investor_Nazal) October 19, 2019
毎月3万円を積み立てて利回り3%で30年運用した場合の支払う手数料の総額を計算してみました。
積立投資は複利効果で資産が増えていきますが、手数料も複利で増えていきます。
0.2%だと30年で44万円、1.2%だと30年で235万円にもなるんです! pic.twitter.com/NMLuZ3hkgP
運用管理費用(信託報酬)がたとえ年0.5%でも
積もり積もれば、けっこうな「お金」を支払うことに・・。
でも、です。
あなたは今日、
自分が持っているファンドから
本日分の『運用管理費用』をいくら支払っているって実感ありますか?
自動で引かれるので支払っている実感がない
そうなのです。。
コナミスポーツクラブに支払う月会費6600円は
会費として別途自分が支払うので、
『コスト負担してるなぁ・・』と感じやすいです。
ところが、
投資信託の運用管理費用は、
自分が持っている『ファンド資産』から直接差し引かれるので、
(自分が差し引くわけではない。↑)
自ら払っている手数料なのに
自ら負担していると感じにくい・・。
費用を徴収する側からすると?
理想的な手数料の取り方をしています。
この信託報酬の表示は通常年率でされていますが、実際は毎日計算されて資産残高から差し引かれているのです。
そう、毎日引かれます!
たとえば運用管理費用年0.5%のインデックスファンドは、365日で割ると1日あたりの負担は約0.00137%です。← なんと小さな数字!
これくらいのパーセント、
自分のお財布から抜かれてもなかなか気づかないのでは・・。
そういえば、
昔セミナーでこんな言い回しをしていました。
毎日毎日株式市場が閉じたあと、だいたい午後4時過ぎに、
みなさんに知られないようにこっそり、
その日の、投資信託の『基準価額』が決まるのです!
ホントです。
塵も積もれば山となる、ではないですが、
投資信託の運用管理費用は
ファンドが儲かっていても損していても、変わらず「パーセント」で引かれます。
1年間のファンドの名目リターンが「プラス8%」あった年は、
別に【運用管理費用】で「年1%」払っても
あなたの「実績リターン」は7%ですから、悪くはありません。
そこから【運用管理費用】で「年1%」支払うと、
あなたの「実績リターン」はマイナス11%になってしまいます。
その負担は川の流れに岩が削られるように少しずつ少しずつ、あなたの実績リターンを侵食していくのです。
最後に【運用管理費用】は「運用会社」だけでなく、
「販売会社」にも継続的に支払っていることをお忘れなく!
(あと受託会社(信託銀行)にも支払います)
ですので、
ファンドの購入時手数料が「ゼロ」になっても、販売会社に一銭もお金が入らないわけではありません(どうぞご心配なく・・(^^)
カテゴリ:投資信託あれこれ