インデックス投資全般

両学長の動画『レバレッジ型ETFの「よくある勘違い5選」について解説』を観て感じたこと

2021年8月18日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

まずは誤解がないように・・。

「レバレッジ」が悪いというわけではありません。

現に企業では
たとえば半導体製造の会社が
銀行から6000億円の借り入れを行い、
1兆円規模の設備投資(新工場建設)を実行するなど、

「レバレッジ」を効かせ
元手を大きくして投資を行うのは「ごく普通のこと」です。

個人の投資でも、
個別株では『信用取引』(レバレッジを効かせた取引)が行われていますし、FX、暗号資産にもさまざまな「レバレッジ」のかけ方があります。

それがファンド(ETF)の世界にも波及してきて、レバレッジ型ETFとか、レバレッジ(ブル)ファンドが幅を利かせているわけです。

 

レバレッジのしくみ、注意点をよく理解して
取引しているぶんに問題はないでしょう。

が、『そうではない例』が散見されるため、

6月30日に金融庁が、
レバレッジ型・インバース型 ETF 等への投資に関して
異例の注意喚起を行いました。
こちら(PDF)です。

画像元:金融庁

 

フム。

上記の注意喚起は
両学長のこちらの動画でも紹介されていました。

 

 

レバレッジ型ETF、レバレッジファンドは
「先物」を用いてレバレッジを効かせ、
より大きなリターンを獲得することを目的としています。

したがって商品設計は複雑であり
一般に高コストであり、
長期になればなるほど、想定の値動きから乖離する傾向にあります。

 

(ところで、)レバレッジ型ETFの最大のリスクは?


長期になればなるほど
アップダウンを繰り返すマーケット環境になればなるほど、

当初の目的から
酷いほどかけ離れた運用成績になり得てしまう・・という点なのです。

 

 

 

そういえば
両学長の動画では
レバレッジ型ETFの具体例として、

TECL・・米国ITセクターのレバレッジ3倍ETF。
SPXL・・S&P500の一日あたりの変動率の3倍を目指すETFなどが出ていました。
(米国では「レバレッジ3倍ETF」もたくさん上場しているのです)

 

あるいは上記動画では

世界経済は長期では成長を続けてきた!
→ だから長期でレバレッジETF投資!という典型的な『勘違い』を紹介しています。

 

結論からいえば
レバレッジ型ETFは明確に
「短期売買用の金融商品」です。

 

長期で持ってしまうと、
商品特性が著しく変質してしまうツールなのです。

また、より大きなリターン獲得を目指すゆえに、
より大きなリスクを背負うことの認識が不可欠であり、
ボラティリティ(価格変動の振れ幅)は通常のETF、インデックスファンドの比ではありません。

わたしはこのレバレッジ型ETFの話題にも
バブル的様相を感じます。

 

バブル的様相とは
「初心者」が多く参入してきて市場が盛り上がり、
またその「初心者」が大胆に過剰なリスクを負う様であります。

 

カネ余り相場にはどこか『高揚感』が漂います。

が、しかし
わたしは両学長(動画)の声の中に
併せて『諦念』を感じてしまいました。

 

上記動画では
「一発逆転!」を渇望する、
若いビギナーの投資家が、
あわよくば自分の人生を変えようとして(たとえばFIREを実現しようとして)
レバレッジ型ETFを希求する様について言及されています。

 

ほんとうは「稼ぐチカラ」を磨くべきなのに、
「増やす力」に頼り切っている・・

 

 

当然の話ですが、
投資に人生を賭けてはいけません。
人生はあなた自身に賭けるべきです。

 

あらゆる商品・サービスは
世の中を映す『鏡』ですが、
レバレッジ型ETFもそのひとつなのでしょう。

マーケットの高揚感と、
コロナ渦の激変の中
若者の人生に対する諦念がミックスされて、

ほの暗い『射幸心』を煽る典型例として、
レバレッジ型商品は挙げられるのではないでしょうか?

 

 

あまり人の悪口を言うといけないのですが、
大和アセットマネジメントの
『iFreeレバレッジシリーズ』など酷いです。

どこか「ひどいか」というと、
商品紹介のページで、

 

iFreeレバレッジは長期の積立投資にも活用できるように信託期間は無期限です。
あなたのライフサイクルパートナーとして、長く付き合えるファンドシリーズです。

 

などと謳っているためです。

これはレバレッジ型商品の特徴を明らかに逸脱した説明であり、大いに誤解を与える表現です。

早急に文章を修正すべきでしょう。


カテゴリ:インデックス投資全般

おすすめの記事