投資信託、ETFの『口数分割』で価格が暴落?
2021年4月12日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
「神は細部に宿る。」
ということで、
小さなニュースを
細かく見ることが(わりと)好きですw
ETF.comのこちらの記事は、
バンガード、i シェアーズなどのETFが『口数分割』することを伝えています。
Three Vanguard ETFs are set to undergo
forward splits as of the start of trading on April 20:
Vanguard Russell 1000 Value ETF (VONV), 2 for 1
Vanguard Russell 1000 Growth ETF (VONG), 4 for 1
Vanguard Russell 2000 ETF (VTWO), 2 for 1
「口数分割って?」
ハイ、1分だけお時間いただけますか?
あなたが保有するファンド(ETF)の時価評価額は、
あなたが持つ「口数」×「ファンドの価格」であります。
(実は)投資信託、ETFとも、
口数の分割をすることがあるのです。
(その考え方の元祖は、株式の「株数分割」です)
『口数の分割』によってその価格を下げ、
潜在の需要者に「より買いやすい価格帯」にしたいという思惑からなのです。
一例を挙げてみましょう。
あるファンドを100万口持っていて、
その価格が 28,000円だったとします。
運用会社が、1口を2口に『口数分割』した場合、
保有口数は200万口となり、
ファンドの価格は・・?
14,000円になります。
(ただしファンド保有者の時価評価額が変わるわけではありません。)
※ ちなみに口数分割、株式分割はshare splitsと呼ばれます。
もう14年、15年くらい前に、
i シェアーズの新興国株ETF(EEM)が口数分割を行って、
ETFの価格が1/3 になり、
お客様から電話がかかってきたことがありました。
慌てられるお気持ちは十分わかります。
(ただしこの場合、保有口数も3倍に増えるわけで・・)
あるいは投資信託でも昔、
「メリルリンチ・アクティブ・ジャパン・オープン」が口数を1:2に『分割』したことがあります。
したがって価格が「半分」になったのです。
ちなみにREIT(不動産投資信託)でも
「口数分割」がたまに実施されます。
これは「投資口の分割」という言い方をします。
最後に、
口数を分割するのではなく、
2口を1口にする、4口を1口にするなど
『口数の併合』もETFではまれに行われます。
たとえば価格が5ドルとか7ドルまで下がったしまったETFが、
4:1の『口数併合』をすると、その価格は4倍になります。
今後、投資信託、ETFの価格が
暴落、暴騰しているのを見た場合は、
まずは口数の分割、併合を疑ってみましょう・・。
カテゴリ:投資信託あれこれ