NISA活用法

つみたてNISAから『取り崩し』開始? iDeCo、特定口座はどうする?(小山田さん、36歳の例)

2021年4月11日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

つみたて投資はたとえるなら、
そこにずっと在り続ける『空気』みたいなものです。

小山田さん(仮名・36歳)が
iDeCo、つみたてNISA、特定口座を用いて資産運用を続け、

将来、自身の運用資産を
『どんなふうに取り崩していくの?』を
ちょっとだけ覗いてみることにしましょう。


小山田さんは、

「日本株式ファンド」  10%
「新興国株式ファンド」 20%
「先進国株式ファンド」  30%

「日本債券ファンド」  20%
「先進国債券ファンド」 20%

という【ひとつのポートフォリオ】を、

3つの『窓口』
(iDeCo、つみたてNISA、特定口座)に当てはめ、運用をしています。

 



具体的には、

〇 iDeCoの窓口では、
「日本株式ファンド」
「新興国株式ファンド」を

〇 つみたてNISAでは、
「先進国株式ファンド」を

〇 特定口座では、

「日本株式ファンド」 
「新興国株式ファンド」 
「先進国株式ファンド」
「日本債券ファンド」 
「先進国債券ファンド」 を

保有しています。

あっ、実は
iDeCoもつみたてNISAも今年始めたばかりです。

「特定口座」だけ10年近く前に始めていたため、
運用資産のほとんどは「特定口座」です。

なので「特定口座」ですべてのファンドを保有している状態です。
また「リ・バランス」も、特定口座で実施する予定です。


さて、光陰矢の如しで、
小山田さんはあっという間に56歳になりました。

 




あっ、↑56歳に見えますか?


「フム。我ながら、よくここまで運用を続けてきたものだ。」

そういえば56歳ということは、
小山田さんが2021年に『つみたてNISA』をはじめて
ちょうど【20年目】に当たる年・・。


そう、今2040年なのです!


つみたてNISAで
最初(2021年)に入れた「投資枠」について、
20年の『非課税期間』の満期が来ています。

 



 

『非課税』のメリットをしっかり享受するなら、

今年2040年から、
毎年断続的に「先進国株式ファンド」を解約し続けることになりますね。

「やっぱ、非課税って嬉しいよ!」


ん・・・?

でも、
(iDeCoや、特定口座では)まだ取り崩しは・・しないですよね。

(だって)まだ56歳ですから・・。

 

仮に、つみたてNISAのみを

断続的に売っていくと、
なにが起こりますか?

【ひとつのポートフォリオ】の中で、
「先進国株式ファンド」のみ、
その割合が減っていくことになります。


(と同時に、債券:株式で見ても、
株式の割合が減っていきます・・)


つまり、ポートフォリオが崩れ、
かつ背中に背負うリスク量が変容してしまうわけです。

そう、
これこそ、

複数の入り口で『ひとつのポートフォリオ』を組む場合のリスクなのです。



少しお話の流れは変わりますよ。

そもそも、なのですが、
小山田さんは
56歳で『つみたてNISA』のファンドを売り始める必要があるの?

ファンドを売ったとして、
「そのお金」を使う用事があるの・・?という問題です。


小山田さんはまだバリバリ働いていて、
教育費も一段落して、
特にこれといって「大きなお金を使う用事」がありません。

 




じゃあ、
つみたてNISAの『20年』に捉われず、

小山田さんの人生ステージで、
本当に「お金」が必要になる時期、つまりリタイアメントの頃に、

 

〇 iDeCo 、特定口座、つみたてNISAを同時に『取り崩す』という基本方針を持つべきではないでしょうか?


小山田さんは、
つみたてNISAの『非課税期間』が切れても売ってしまわずに、【特定口座】に戻して運用を続けていってOKなのです。


たとえば、
2021年に入れた「40万円」が
2040年末に「70万円」になって、

その状態でファンドを『特定口座』に戻したら、
ファンドを70万円で取得した】と見なしてくれるので、

そのあと、ファンド価値が「90万円」となって売却したとしても、利益は「20万円」のみで済みます。




 

また、小山田さんの老後資金が、
今後長きにわたって、少しずつ必要になるという原則に立てば、
iDeCoも『年金形式』で受け取るのが理にかなっています。 

つみたてNISA、iDeCo、特定口座は三者三様ですが、
きれいに整列してあげるのは、あなたの役目なのです。

 

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