投資家の感情リスク

コロナバブルでもう買い進めるのはイヤと思ってしまうあなたへ

2021年3月25日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

昨日のお話の続きです。

つみたて投資とは不思議な投資の実行法です。

あなたの投資の成果は
「購入できた量 × ファンドの最新価格」という式になるため、

市場が一本調子で上がる局面では
積み立てを続けるのを躊躇してしまいがちになります。

この心は?

価格が上がり過ぎると、量(口数)を少なくしか買えないため!

 




去年の5月頃から不自然にマーケットは上昇し始めました。
今年に入って
1月、2月はまるでバブルを彷彿させるような上げ様でしたね。

あなたは首を何度も傾げながら、

 

『こんな不自然な上昇、いつまでも続くはずがない。』
『ぜんぜん量(口数)が買えないじゃないか。積み立ての意味ってあるの?』

 

と自問自答したはず。


そのいっぽうで、
『あー、難しく考えない!つみたてだから、淡々と続けよう。』と自分で自分を励ますあなたも居ます。

(まさに)こころの葛藤ですね。


ヒトの気持ちとは微妙なもので、ときにそよ風のように揺らぎ始めてしまいます。

突発的なニュースや、
方向感のない市場の動きのあとに、
拍子抜けしたように株価がポーンと上がったりすると、

症状その2)

つみたて金額を減らそう。
つみたてをちょっと休もう。

と、突如思ってしまう可能性もあるのです。


(お気持ちはよーく分かります・・)

 


つみたて金額を減らしたくなるのは、
ある意味、あなたの「防御反応」といえるでしょう。

 

『こんな不利な状況のときに、わざわざ満額で積み立てをしなくても良いのでは。』
『もっと大きく下がったときに、大きめの「つみたて金額」で積み立てたほうが合理的なのでは?』


自分を納得させるための材料をいろいろ探してきて、
あなたは自分の決意を補強しようとします。

それはあなたの「思い」を「野太い主張」に変換させる行為です。


しかし果たして、
あなたの思惑通りにマーケットは動いてくれるのでしょうか?

 

万一、『もっと大きく下がったとき』が、当面来なかったとしたら?

 

長い投資生活を振り返ってみて、
「利回り」はある程度稼げたのに、
投資信託を「長く」持ち続けることも出来たのに、

肝心の、
投資に入金できた「金額ベース」が過小だったとしたら、

あなたはつみたて金額を減らした自分を、
また、つみたてをお休みした自分を、
のちのち後悔するかもしれません。

 


わたしにはあなたの気持ちがよーく分かります。

市場の『上昇局面』で
つみたてを止めたくなるのは、
つみたてのメカニズム、特徴を痛いほどご存じだからなのです。


バブル気味の局面でつみたてを止めたくなる投資家は、あなたを含めて20万人はいます。いや、世界規模でいえば2000万人は居るでしょう。

 

それでも、

 

あなたは今の『不納得』を抱えながら、
将来の『納得』を夢見て、
淡々とつみたてを続けるべきなのです。


「カンさん。将来の『納得』って?」

シンプルに、
マーケットにはまた大きく下がる時期があり、
また大きく上がる時期も訪れるという長めの納得です。


これまで異様に上がってきた時期というのは
貴方がつみたてを続けるトータルの期間、
たとえば25年や30年の中の、ほんの『一時期』に過ぎません。


全体像で見れば、下がる局面もまた必ず訪れるもの・・。
それを「いつ?」と問い過ぎないことです。

それ(下落)がいつかは分からないから、淡々と今の投資を続けるわけです。

 

正直『分からない・・』と言うのには勇気がいります。

しかし『分からない』と悟ることで
人は上がること、下がること、双方にニュートラルになれるものです。

もちろん自身の心持ちを客観化することにもつながるでしょう。
つみたて投資とは、精神修養の場なのです。

 

 

最後に、四国のお遍路さんの菅笠に
次の言葉が書かれているのをご存じですか?

 

・本来無東西(ほんらい東西なし)
・何処有南北(いずこにか南北あらん)


目を閉じてしまえば、前も後も右も左もないはずです。
先入観や偏りによって物事を判断するのではなく、

ありのままそこに居続けることが、
長期投資では求められるのです。

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