投資信託あれこれ

投資信託の『マザーファンド方式』ってなに? それってどうして出来たの?

2021年1月25日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

投資信託にはさまざまな用語がありますが、

この投資信託は、マザーファンド方式(ファミリーファンド方式)です。

 

って言われても、
頭の中では「?のマーク」が点滅するだけでは?


実は『マザーファンド方式』とは、
投資信託の運用会社が
商品(ファンド)を効率よく流通させるために編み出したひとつの技(わざ)なのです。

(私たち消費者にとっても基本的に便利なもの!)


今、あなたが保有しているファンドを含め、
実に多くの投資信託が『マザーファンド方式』で運用されています。

ということは・・?

あなたが実際に買っているのは、
おそらく『ベビーファンド』のほうなのです。

??

 

『マザーファンド方式』=
『マザーファンド』と『ベビーファンド』で成り立っています。

 

ちょっとイメージ図だけ先にお見せしますね。






画像元:SMT グローバル株式インデックス・オープン(交付目論見書


(話は急に変わりますが!)

ふとんクリーナーの『レイコップ』にはいつもお世話になっています(^^)





この商品って、

〇 レイコップのオンラインストアで売っています。
〇 ジャパネットたかた番組内でも売られています。

〇 ビックカメラの店頭でも、
〇 楽天市場のサイトでも

〇 アマゾンでも
〇 あなたの町の「でんきや」さんでも売っているはず。


つまり、
商品の『流通チャネル』がたくさんあるのです。

実は・・『投資信託』も同じ。

 

『外国株式インデックスファンド(先進国株式インデックスファンド)』ってありますね。

このファンドは、

〇 銀行(大手・地銀・信金など)
〇 証券会社
〇 保険会社など、

たくさんの『販売会社』で売られています。

あっ、でも、これは「ひとつのチャネル」に過ぎません。


少しだけ想像力を働かせてみましょう。

たとえば、従業員の退職金原資を運用している
○ 年金基金などでも、
『外国株式インデックスファンド』を運用しています。

 

これって?
投資信託の運用会社から見ると『別の販売チャネル』になります(大口顧客のようなイメージ)。

 


最近は
〇 確定拠出年金という『チャネル』もあります。

(細かい話ですが、運用会社から見れば、
企業型の確定拠出年金と
iDeCo(個人型の確定拠出年金)もそれぞれ『別チャネル』なのです)



また、これは決してお勧めしませんが、

〇『ラップ口座』の専用ファンドとして、
『外国株式インデックスファンド』がラインナップされたりもしています。

これも「別口のチャネル」。


はたまた、

〇 保険会社の『変額年金保険』や『変額保険』の投資先として、
投資信託がラインナップされることもあります。

こんなふうに考えると、

「投資信託って、けっこうたくさんの【流通経路(チャネル)】を持っているんだ」
ということが分かりますね。



でも、ですよ、
もし『ひとつひとつのチャネル』ごとに、

いちいちゼロから『外国株式インデックスファンド』を作っていたら、効率が悪くて仕方ありません。

そうですよね?)

 



そこで運用会社さんは考えたわけです。

〇 最初に『母親ファンド』をひとつ、作っちゃえばいいじゃん、と。


(別に「じゃん」とは言っていないと思いますが(^^;)

⇒ これが『マザーファンド』!

 

最初にひとつマザーファンドを作ります。


具体的に記してみましょう。

たとえば、
<外国株式インデックスマザーファンド!>

上記は、三井住友トラスト・アセットマネジメントで運用されている実際の『マザーファンド』です。


わたしがこの『母親ファンド(外国株式インデックスマザーファンド)』を知ったのは、『SMTグローバル株式インデックス・オープン』を通じてでした。


もう一度「イメージ図」を出してみます。





画像元:SMT グローバル株式インデックス・オープン(交付目論見書


つまりは、
わたしがかつて買っていた
『SMTグローバル株式インデックス・オープン』って【子どもファンド】なのです。

何の?

『外国株式インデックスマザーファンド』という名の【母親ファンド】の・・。

(伝わっていますね?)


あなたが実際購入する
『SMTグローバル株式インデックス・オープン』は、
実は『外国株式インデックスマザーファンド』の受益証券を買い付けています。

実際に外国株式そのものを買い付けるのは「マザーファンド」のほう。


ということは、

『SMTグローバル株式インデックス・オープン』に載っている、たとえば『純資産額』約868億円という数字は、『ベビーファンド』としての純資産額に過ぎません・・。


ほんとうは『マザーファンド方式』の投資信託なら、
「純資産額の大きさ」は
『マザーファンドベース』で見るべきなのです。


(「外国株式インデックスマザーファンド」こそが実際に、
外国の株式を売買し、MSCIコクサイ指数との連動を目指す、ファンド本体であるためですね)

 



言い方を換えると?

実際に購入するインデックスファンド(ベビーファンド)の純資産額が少なくても、『マザーファンドの純資産額』が潤沢であれば、特に気にする必要はありません。


あっ、最近では
『交付の目論見書』を見れば、
マザーファンドベースの「純資産額」もきちんと載せてくれています。




画像元:SMT グローバル株式インデックス・オープン(交付目論見書

          ここ、ですね。↑

 

運用会社にしてみれば、
最初にひとつ「マザーファンド(母親ファンド)」を作っておけば、

iDeCoに商品を卸すときも、
「おはよう株式会社」の企業年金用に商品を卸すときも、
はたまた「ラップ口座」用に商品を卸すときも、

ベビーファンドB
ベビーファンドC
ベビーファンドD というふうに、

ベビーファンド(子どもファンド)を増やすだけで済みます。



またこの「外国株式インデックスマザーファンド」は、
【バランスファンド】の『材料』にもなっています。

「世界経済インデックスファンド」ってありますよね。

同ファンドは『6つの投資対象』をひとつにまとめたバランスファンドですが、
そのうち「先進国株式」部分に、
この「外国株式インデックスマザーファンド」が充てられたりしています。

『マザー・ベビー』の仕組みを知ってこそ、一人前のファンド保有者なのです(^^)

カテゴリ:投資信託あれこれ

おすすめの記事