確定拠出年金(iDeCo・企業型)

iDeCo全面開放の日まであと2年!(主に企業型DC加入者のあなたへ)

2020年11月24日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

確定拠出年金の制度ってちょっと複雑です。

まず、なぜか、
企業型(企業型DCと呼ばれます)と、
個人型(iDeCoと呼ばれます)に分かれているのです。

「どちらも同じ、確定拠出年金制度なのに・・」

まるで東京メトロと東京都営地下鉄のように、
互いにやっていることは同じなのに
妙に仲が良くない、『連携が悪い状況』です。


iDeCoを軸に見てみましょう。

2017年以降、
iDeCoの『加入対象者』が一気に拡大しました。

「これで基本20歳以上の人は誰でも加入できますよ。
(もちろん国民年金保険料をきちんと納めていることが前提)」

という触れこみだったにもかかわらず、

一区画だけ、大きな穴が開いたのです。


それは?

企業型DCに加入している人たち」です。

 

企業型DCの加入者の9割以上が
現状iDeCoには加入出来ません!


その理由は、
「企業型DCの導入企業だけれど、
iDeCoにも加入できるようにしますよという旨の『約款変更』を行っていない会社が圧倒的に多いためです」


でもご安心を・・。

2022年10月からは
企業型DCの加入者も、
もれなくiDeCoに加入できるようになります。

パチパチパチ!






これは
750万人に及ぶ企業型DCの加入者にとっては「朗報」でしょう。

ようやく2年後にiDeCoは「全面開放」されるわけです。

企業型DCの加入者にとって
どうしてiDeCoが大事かというと、

(企業型DCは基本、企業が掛け金を拠出しますが)
iDeCOは自分で掛け金を拠出するので、
「所得控除」ができるためです。


さらに言えば、
iDeCoは自分で窓口となる金融機関を選べます。

どの金融機関が「どんな商品ラインナップ」を揃えているのか、
比較検討して自分で選択できるわけです。

(企業型DCでは商品ラインナップはすでに決まっており、個人の意思で変更したり増やしたりすることはできない)



「でもカンさん。ちょっと待って。
うちは『マッチング拠出』もやっているんだけど、それは影響ないんですか?」

あっ、すみません、そこ影響アリです。

 



(※「マッチング拠出制度」とは企業型DCにおいて、
企業が掛け金を拠出するだけでなく、従業員自らの拠出も認める制度のこと。
マッチング拠出の部分はiDeCoと同じように「所得控除」できます。)

結論からいうと「マッチング拠出制度」がある企業では、
マッチング拠出を選ぶか、
iDeCoを選ぶか、『選択制』となります。

 


つまり、22年10月以降も、

企業型DC 企業拠出
     マッチング拠出
iDeCo

というふうには出来ないわけですね。

 

企業型DC 企業拠出
     マッチング拠出

か、

企業型DC 企業拠出
iDeCo

かのパターンになります。




仮に「マッチング拠出制度」がなければ、

企業型DC 企業拠出
iDeCo  

となりますが、

この場合、
ログインID、パスワードは別々になりますよ。
『窓口』そのものがまったく別になるためです。
(当然、商品ラインナップも異なります)




さらに、ここにつみたてNISA、特定口座が絡んでくると、
窓口の数が、

〇 企業型DC 企業拠出
〇 iDeCo 
〇 つみたてNISA
〇 特定口座(ふつうの課税口座)


というふうに「4つ」になったりします。

ですので、資産管理のキーワードは「シンプル」となるわけです。


企業型DC加入者の方へ。

2年後、iDeCoも選択できるようになれば、
わたしは基本iDeCoも始められたほうがよいと思います。

 


 

その理由は、
今後、あなたがどのようなキャリアパスを歩もうとも、
iDeCoはずっと「そのままのカタチ」で存続できるからです。


(掛け金の限度額が変わる可能性はありますが・・)


「そのままのカタチ」で存続できるとは、
同じ投資信託で長期の運用ができるという意味です。

〇 企業型DCの弱点はズバリ「転職」なのです。

 


企業型DC制度の詳細、商品ラインナップは
あなたが所属する会社に紐づけされているため、

たとえばパナソニックからソニーに転職した場合、
パの企業型DC」から「ソの企業型DC」へ引っ越す必要があり、

従前の投資信託での運用資産は一度全部「売却して」現金化、
その後「ソの企業型DC」にお引越しをする必要があります。

しかもこの時、2~3か月『タイムラグ』も発生してしまいます。

iDeCoというインフラは意外と重要なのです。


冒頭、企業型DCとiDeCoは、
同じ確定拠出年金なのに、
『連携が悪い状況』と申し上げましたが、
2年後からは「連携」ができる状態になります。

(あるお客様は「iDeCo自由化」と言われていました)


 

しかしそれは決して「ゴール」ではなく、
本当のゴールは、

確定拠出年金制度を、
個人型確定拠出年金(iDeCo)に『一本化』することにあるでしょう。

あなたの職業に関係なく、
純粋に「個人」に紐づく制度に集約し、
そして掛け金の拠出枠をもっと大きくする。

税制優遇制度で重要なのは、
シンプルで誰にもわかりやすい骨太の制度設計なのです。

 

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