確定拠出年金(iDeCo・企業型)

iDeCoの受取り時、税金がかかる可能性はあるのですか?【あなたの疑問に答えます!】

2020年11月4日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

当クリニックのお客様から頂戴した
さまざまな『質問』にお答えしていくウィーク続きます(^^)

その名もズバリ、
あなたの疑問に答えます!



第6回!
咲本さま(仮名)山口県

 

iDeCoの受取り時、税金がかかる可能性はあるのですか?

 

答え)

あります。

 


iDeCoのメリットと聞いて、
すぐに思い浮かぶのは『所得控除』でしょう。

iDeCoに掛金を拠出するだけで、
所得税が還付されたり住民税が安くなったりするのは嬉しいこと。

また所得控除は毎年続くため、
節税のメリットを
あらかじめ決まった果実のように享受できます。


たとえiDeCo口座での運用がマイナスになっても、
「所得控除ができている!」という事実が、
ブレない長期投資を後押しするチカラになります。


(もちろん、iDeCoでは最低でも171円/月の維持コストがかかること、
60歳までお金がまったく引き出せないなど注意する事項もあり)


ただし、咲本さんはまだお若い(32歳)ので、
iDeCoの受取り時の「税制」については、
率直に言ってたいへん不透明と言わざるを得ません。

具体的には、
受取り時に適用される「控除の大きさ」が不透明・・。

〇 現在、iDeCoを一時金で受け取る際には
「退職所得控除」が、

〇 年金形式で受け取る際には
「公的年金等控除」が適用されます。

 

 

両控除とも、
そのサイズが『けっこう大きい』ため、

現状iDeCoの受取り時に(結果として)非課税になる、
あるいは課税されてもわずか、という例が散見されます。


(ただ、注意点としては、今まさに60歳の会社員で、
退職金がけっこうあるよという人は、

iDeCoの一時金を(退職金)と同時期に受け取ったりすると、
税負担が増えてしまうことがあるのでご留意を。

詳しくは日経新聞記事
イデコ税負担、周知不足 退職金で控除枠使い切る恐れ』をご覧ください。)

 

ともかく、最大の問題は
咲本さんが60歳になるまでに
あと『28年もある』ということです。

 



日本の苦しい財政事情を鑑みると、わたしには今から28年後、
今と同じサイズで「退職所得控除」「公的年金等控除」が存在するとはどうしても思えません。

(上記については↑複数の税理士の方に質問したことがあります。
皆さん、長い目で見れば「退職所得控除」「公的年金等控除」の大きさは縮小される可能性が高いと言われていました。)


つまり、若い人ほど、

 

iDeCoは
行きはよいよい、出口はちょっと怖い。』になってしまうのです。


??

iDeCoという制度の途上では、
所得控除というメリットもあり
ハッピーハッピーなのですが、

いざ「受取り時」に、
受取り総額に対して仮に『控除の大きさ』が小さいと、

課税対象金額が大きくなってしまい、
そこそこ税金を負担することになる・・。

(もちろん「税率」そのものも
28年後のことですから、変わっている可能性もあります。)

 




このあたりは未来のことなので、
断定的なことは言えません。

しかし少なくとも、咲本さんのように30代以下の人は

iDeCoは
『行きはよいよい、出口はちょっと怖い。』と思っていたほうがよいとわたしは思います。

(誤解がないよう申し上げますが、
上記のような不透明要素があってもiDeCoはやったほうが断然良いです。
それほど『所得控除』のメリットは大きいということ。)


最後に、
iDeCoの『行きはよいよい、出口はちょっと怖い』に対して、

つみたてNISAは
行きは忍耐、出口はよいよい』の制度です。


つみたてNISAでは
長大なつみたての途上、
なにも良いことがありません・・。← 地味です。

しかし「利益に対して非課税」を約束してくれていますから、

あなたが寄り道をせず、
将来の「大きな利益」にフォーカスできれば、
出口でのメリットは予想以上に大きくなる可能性があるのです。

 

両制度、その性格がまったく違っていますね。
(咲本さん、このたびはご質問ありがとうございました!)

 

Zoom(オンライン)で開催いたします。
  



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