投資信託の「フクロ」に不動産が入るようになって19年が経ちました
2020年10月10日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
実物不動産は文字通り「大きな資産」です。
ワンルームマンションなら
何とか自分で買えそうな気がしますが、
一棟マンションとか、
多機能オフィスビルとか、
ショッピングモールとか、
とても買える代物ではないと感じます。
また、それらが、
投資信託という名の「フクロ」に実際『入る』なんてなかなか想像が出来ません。
実物不動産を、あなたが個人で買おうとすると、
2.切り売りや、積み立てで少しずつ購入することが出来ず、
3.国地域、通貨の分散が出来ず、
4.売り買いのしやすさ(=流動性)が低くなってしまいます。
3.に関していえば、
実際、実物の不動産は世界中に存在するのに、
法律あるいは税制の違い、制限によって、
「ほとんどの個人投資家は
自国の不動産に限って購入している」実態があります。
結局、5000万円程度の資産では
(実物不動産を含んでしまうと、)
「高度な分散ポートフォリオ」を作るのが難しくなってしまうのです。
そんな難題にひとつのアンサーを与えてくれたのが、
『不動産投資信託』です。
REIT(リート)と呼ばれます。
今から19年前の2001年9月、
日本初のREITとして上場を果たしたのが
「ジャパンリアルエステイト投資法人」でした。
このREITは2020年4月20日現在、
・73の物件(オフィスビル)を保有。
・全ビルの平均築年数は18年です。
(73の物件のうち 78%が東京23区に集中。)
「ひとつのREITが73のビルを保有するとは?」
仮に1つのオフィスビルで20の企業が
賃借しているとすると、
貸している相手方(企業)が 73 × 20 で、
「1460社もあるよ」ということ。
(これは?
『家賃収入』の発生源が高度に分散されている、ということに他なりません)
スゴイですね。
このREITが、
1口 535,000円で買えます(10月9日終値)
株式市場に「上場している」不動産投資信託のこと。
「カンさん。それってインデックス型のファンド?
それともアクティブ型のファンド?」
〇 えー、
東京証券取引所に上場する62本のREITは
すべて「アクティブ型」の不動産投資信託です。
(商業施設型、レジデンス型、ヘルスケア型など、
さまざまな「用途」のREITがあります)
REITは市場に上場しているため、
毎日毎日「価格(1口あたり)」が付きます。
いつでも『時価』で売り買いできる安心感がありますね。
(でも、時に価格は大きく変動します)
わたしは62本の中から、
このREITを選びましょう!なんてぜんぜん思いません。
個別株のそれより高めなんだよ!」
はい、知ってます(笑)
でも(そもそも)現役世代のあなたは、
別に今「分配金」が要るわけではないですよね?
投資信託の『フクロ』に入れてしまったほうが良くないですか?
それが・・『J-REITインデックスファンド』です。
ちょっと想像してみてください。
控えめに、
一つひとつのREITが40くらいの不動産物件を保有し、
一つひとつの不動産に20の企業が賃借しているとすると、
あなたはいったい何社の企業に
賃貸することになるかというと?
62本 × 40 × 20 = 延べ 49600社 です。
スゴイですね。
しかも、不思議なことに、
『J-REITインデックスファンド』になると、
1口 40万円とか50万円ではなく、
毎月100円や1000円から、
自動つみたて投資が出来ます。
(ほんらいアクティブ型である不動産投資信託を、インデックス型のファンドに転化させたわけです。)
さらに、
分配金なんて別にもらわなくて、
それをそのまま再投資して欲しいくらいです。」
という要望にも、自然、応えてくれます。
たとえば、
「<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド」は
2013年の運用開始以来、
一度も『分配金』を出していません。
当ファンドが抱える62本のREITは
『分配金』をせっせと出していますが、
それらはすべて「インデックスファンド内」で
再投資されるわけです。
<こちらのほうが合理的だと思いませんか?>
あなたが望めば、
不動産の用途分散だけでなく、『国・地域の分散』『通貨の分散』も可能です。
すなわち、
(日本以外の)先進国、新興国の国々に跨る「グローバルREIT」という投資対象です。
「<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド」も同じく、
2013年の運用開始以来、一度も分配金を出していません。
当該ファンドは、
世界のさまざまな地域のREIT「316個」を保有するインデックスファンドであり、
「用途」の分散はさらに多様でオフィスビル、商業施設、
物流倉庫、携帯電話基地局、ヘルスケア施設、賃貸住宅型、データセンター、ホテル・リゾート施設など不動産のカタチは多岐にわたります。
一つひとつのREITが40くらいの不動産物件を保有し、
ひとつの不動産に20の企業が賃借しているとすると、
『グローバルREITインデックスファンド』を保有することで、
あなたはいったい何社の企業に賃貸することになるのか?
316本 × 40 × 20 = 延べ 252,800社 です。
スゴイですね。
不動産という資産も、
投資信託の『メリット』= 分散を享受できる時代なのです。
(追記)
実物不動産の難点をもうひとつ。
不動産の用途(業態)は実にさまざまあるのに、
個人が不動産を買うとなると実質「居住用」の不動産に限られるというのは明らかにデメリットでしょう。
カテゴリ:投資信託あれこれ