投資信託あれこれ

あなたの資産が毎日(ほんの少し)削り取られている、それが「運用管理費用」です

2020年9月20日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

投資信託を持ち続けていると、
削り取られるものがあります。
それが『運用管理費用』です。

たとえば
年率1.46%(税込)などと記されますが、
別に年に1度徴収されているわけではありません。

365日で割って、
毎日毎日【日割り】で差し引かれているのです。

「えっ、何から?」

ファンド資産本体からです。


ほんとうに
まるでかつお節を削るように、
毎日ほんの少しずつ(少しずつ)、削り取られます。




これこそ、
あなたが投資信託を持ち続ける限り、
けいぞく的にかかる『コスト』なのです。

それが運用管理費用!


たとえば「固定資産税」なら、
請求書が来て、金額を見て、あなた自身が別途支払いますね。

ところが『運用管理費用』では
請求書など来ません。

あなたが買っている
投資信託という「商品」の、商品本体から、
ほんとうに『かつお節』のように削られ、

 


上は・・?  投資信託ほんたい

下は・・?  運用管理費用


その削った分(現金)を、

販売会社と
運用会社と
受託会社(信託銀行)に、

「はいどうぞ!」と
毎日『現物払い』しているのです。

こんなスゴ技が出来るのは?

あなたが買っている商品が、
投資信託という
現金とか株式とか債券を混ぜた「金融資産」だからです。



※ 毎年の「自動車税」を、
クルマのバンパーを少しずつ削って
「はい、これ今年の分ね!」とは払えません(-_-;)


そしてこの運用管理費用が特殊なのは、
毎日毎日ファンド資産から
「報酬」を削り取っているのが、

あなた(ファンド保有者)ではなく、
ファンドの『運用会社』である点でしょう。


たとえば「日本株式ファンド」なら、
毎日毎日、
日本の株式市場が閉じたあとに、

今日一日分のかつお節を、
いや『運用管理費用』を、
超薄切りで削り取っているわけです。

 



 

そしてなんと、
本日分の『運用管理費用』を差し引いたあとに、
本日分の『基準価格 = ファンドの値段』が確定します。

(それがだいたい、夕方6時台です)

 

あらゆる投資信託は従って、

その日一日分の「運用管理費用」を差し引く前の、
いわゆる『名目上の』純資産額というものが存在します。

マーケットが閉じたあと、
その日の「基準価格」が決まるまでは、いわば『空白の時間』なのです。

その中で運用管理費用を(そっと)差し引く行為は、
なんと云いますか、
ちょっとした『秘め事』であるわけです。

 



できれば、あなたやわたしのような
ファンド保有者には積極的に知られたくはない、夕方の秘め事。

この、日々削り取られる「コストの大きさ」を、
「ボクは気にしないよ」という人がいたら、
その人はちょっとお人よしかもしれません。

 


わたしは
運用管理費用という手数料の引き方を最初に考えた人は『天才』だと思います。

商品提供側にとって、
これほど理想的な手数料徴収方法はないでしょう・・。

(ご用心、ご用心。。)


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