「分配金あり」のファンドと「分配金なし」のファンド、どっちがいいの?
2020年9月4日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
投資信託を購入する際に、
「分配金」を想起するのは自然な現象です。
「分配金」を目当てにファンドを買う人ってまだまだ多いですから。
『個別銘柄』の中にあります。
たとえば個別の債券を買うと「利息」がもらえる。
あるいは個別の株式を買うと「配当金」が期待できる。
こういう学習体験は、
ずいぶん昔から数多の投資家がしてきています。
(この流れの中で・・)
「個別株式」の場合、文字通り、一社の存亡を賭けて、背中にリスクを負って、会社の所有権を買っていますから、
仮に100の利益が出ていたら、
10とか20は『株主』に還元してよ!」と言いたくなります。
これが『配当金』です。
今でこそ、
世界中で上場する株式が何十万社とありますが、
その昔は、上場する会社など「ごくごく僅か」でした。
非上場の株式だと、
「1株あたりの価値」の客観指標など、あってないようなものです。
したがって、自分が保有する株を売りたくなった時に、その株式にいくらの値が付くかなんて全然当てに出来なかったわけです。
だからこそ「配当金」が重要だったのです。
でも今、公募の株式ファンドが組み入れているのは
『上場している株式』です。
果たして理に適っているのでしょうか?
??カンさん。なに言っているの!
ファンドが組み入れる株式から出される配当金こそが、ファンドの分配金の原資じゃない。これはワタシがもらう権利があるのよ!
なるほど・・。
でも、一方ではですよ、
ファンドが組み入れる株式から出される配当金を、
(ファンドの分配金とはせずに、)
ファンドが保有する銘柄等に再投資する投資信託もありますよね。
両者の違いは何でしょう?
カンタンです。
ファンドの作り手(運用会社)からすると、個々の株式の配当も「銘柄の購入」に充てられれば、とても効率的でラクなのではないでしょうか?
(それに「分配金なし」だと、そもそも「分配金」のための現金や、それを管理する担当者を用意する必要もありませんし!)
もちろん、そこから、
分配金を自動再投資することは可能です。
『分配金』という制度がないと、
各国の当局が『課税する機会』が損なわれてしまうために、この制度が作り出されたとしか、わたしには思えません。
(いわゆる『オトナの事情』。)
あらゆるリスク資産について云えることですが、
繰り延べることが可能であるなら、
1年でも5年でも20年でも、
「税の繰り延べ」は実践できたほうが、最終的な実入りはより大きくなるはずです。
ということで、
「分配金あり」のファンドより
「分配金なし」のファンドのほうがいいですよというお話でした。
カテゴリ:投資信託あれこれ