江戸時代的な『待ち』が要求されるiDeCoとつみたてNISA
2020年7月12日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
「iDeCo」と「つみたてNISA」を比べてみると、
『根底部分』は共通しています。
1.「長期」で
2.「投資信託」を積み立て、
3.あなたの資産を増やす「税制優遇口座」であるという点。
ところが両者をよく見ると
『キャラクター』の違いもまた鮮明なのです。
たとえば
「iDeCo」はあなたの【年齢】に応じるのに対し、
「つみたてNISA」は予め【期間そのもの】が決まっています。
また「iDeCo」は年金制度ですから、
いちいち「書類」⇒「届け出」で(ちょっと)お堅いイメージ。
いっぽう「つみたてNISA」は
特定口座と同様、開設や掛金の変更はカンタンで柔軟性があります。
「iDeCo」は法改正によって商品ラインナップが
『35本以下』と定められました。
いっぽう「つみたてNISA」の対象商品は、
6月29日現在『182本(ETF含む)』あります。
「iDeCo」は保有する投資信託を一部売ったり、
そこから別のファンドを買い付けたり出来ます。
これを『スイッチング』と云いますが、
スイッチングが可能なことで
資産の割合の調整、
つまり『リ・バランス』が可能になるわけです。
ところが「つみたてNISA」は?
保有する投資信託を一部売ると、
(その分だけ)「非課税枠」を使い切ったと見なされます。
また、売却したお金で
(毎月の積立てとは別に)
任意にファンドを買い付けることは出来ません。
つまり・・
『リ・バランス』が出来ないのです。
(おまけに「つみたてNISA」には債券ファンドもありません)
いろいろと比較できる両制度ですが、
カンタンです。
それは【すぐには成果が出ない】という点です(><)
拍子抜けされましたか?
税制優遇のメリットを享受するためには、
それなりに大きな実り(利益)が膨らむまで「じっと」「長く」待ち続ける必要があります。
その間、大きなダウンや小刻みのアップや
突然の変化が予告なしに訪れたりします。
そんな中、
恐ろしく長い「時間の帯」があなたの前に横たわっているわけです。
「カンさん。iDeCoを始めて3年くらい、
つみたてNISAは去年から始めましたが、
3月のコロナショックに遭って
もうすっかり参ってしまいました。止めたいんです。」みたいな台詞。
お気持ちはよーく分かるのですが、
42.195キロの道程の、
800メートルくらい走ってちょっと気分が悪くなり、
「カンさん。今まで走ってきたけれど、もう走るの止めたいんです」というセリフと同じように聞こえませんか?
江戸時代は
「八兵衛さん、あんた生涯でお伊勢さんに三度もお参りできたんだね。」というセリフの中に、
八兵衛さんの『人生』が垣間見えていました。
もちろん、
市場全体に投資するインデックスファンドで、
iDeCoやつみたてNISAを利用すれば、
〇 あなたに『特別な能力』は要りません。
〇 『何か良さそうなモノ』を探す必要もありません。
しかし、茫洋とした時間の帯に身を任せ、
「つみたて」を凡庸に続け、首を長くして待つ胆力が求められるのです。
これってちょっと、時代錯誤的 でさえあります。
私たちの先人は【長く待たないといけない】を克服するために、
生活のあらゆる面で便利さ、
効率性を追求し、努力を重ねてきたわけですよね?
その結果、私たちは多くの場面で
【長く待たなくてもよい生活】を実現しています。
そのため、
iDeCoやつみたてNISAで
自身のイメージとは違う『突如な動き』が起こると、
「もう、早くどうにかしてくれ!」と気持ちが焦ってしまうのです。
でも、iDeCO、つみたてNISAをしているあなたは江戸時代に居ます。
ゆったり構えてください。
なにせ江戸から京に行くのに14日はかかるのですよ。
Zoom(オンライン)で開催いたします。
8月1日(土)13時30分~
【第39回】iDeCo、つみたてNISAはこう使おう!
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カテゴリ:NISA活用法, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)