「ニッコウMMF カナダドル」が5月に繰上げ償還
2020年4月29日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
わたしは
みらいあせっと@東北投信さんのツイートで知りました。
カナダドルMMF繰上げ償還です。1年未満のものは1年前の方が利回り低いんだけど、見通し的に運用が難しくなったのかな🤔
— みらいあせっと@東北投信🇨🇦🌴🇹🇭 (@instockexnet) April 27, 2020
そのうち米ドルMMFとかも繰上げ償還とかならないよね?? pic.twitter.com/8FACs8bUe6
ニッコウのカナダドル建てMMFが
5月28日に繰り上げ償還されるそうです。
以下ご覧の通り、4月28日現在、
カナダの10年物国債利回り(=長期金利)は0.573%で史上最低水準・・。
画像元:Investing.com
コロナショックによって
日本、西ヨーロッパだけでなく、
カナダ、アメリカなどでも『ゼロ金利』が迫っています。
(あのオーストラリアでさえ、長期金利が1%を切る事態に!)
外貨建てMMFとは、
比較的満期までの期間が短い国債、公債、社債を中心に、
コール・ローン、CP(コマーシャル・ペーパー)
CD(譲渡性預金証書)等)などに投資を行い、
元本と流動性を確保しながら収益の獲得を目指す投資信託です。
債券を保有してもほとんど金利が付かない状況では、
元本を確保しながら運用を継続していくのは困難です・・、
ですので、繰り上げてファンドの運用を終了することにしました。
このセリフって(実は)
2012年の「ユーロ建てMMF」繰上げ償還の際とまったく同じ。
みらいあせっとさんは、
「ドル建てMMFの繰上げ償還」についても危惧されています。
わたしも同感です・・。
と言いますか、
新型コロナウイルスに端を発した経済不況が長期化すれば、
米国でも『ゼロ金利』が常態化する恐れがあります。
「ドル建てMMF」の繰上げ償還も時間の問題ではないでしょうか?
下図を見ると、
アメリカの1年物国債利回り、2年物国債利回りも
限りなく『ゼロ』に近づいていることが分かります。
「YIELD」とは利回りのこと。↑
画像元:Bloomberg
マネックス証券のこちらのページで
今回の繰上げ償還についてくわしい説明が為されています。
(「ニッコウMMF カナダドル」は5月28日(木)が『償還日』)
それ以前に任意にファンドを解約することは可能ですので、
ご所有の方はできるだけ早く現金化されたほうがよいでしょう。
ちなみに「円建てMMF」はわたしが知る限り、
もはや存在していません・・。
いずれ「昔はMMFっていう金融商品があったね・・」と語られることになるのでしょうか?
【追記】(2022年9月2日)あれから2年以上経って、また景色は様変わりしています。
金融の世界ではよくあることです(以下、22年9月1日現在のカナダの長期金利です)
カテゴリ:投資信託あれこれ