投資信託あれこれ

コロナショックのときこそ、ファンド選びは「足し算」ではなく「引き算」で!

2020年4月17日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。 

先月(3月)の第1週から第3週にかけて、
あれほど短期間の間に
あれほど一直線に下がったマーケットは、

わたしが記憶する限り「初めて」です。

一時的に株式、債券、REIT、金・貴金属と
すべてのアセットが下がる状況は、
文字通り市場機能がマヒし、

万人が、ひたすら現金(キャッシュ)を求める姿でありました。

 

 




 

こんな状況では、
「世界株式」プラス「世界債券」という分散投資も、
まったく効き目がないように見えてきます。

(ほんとうは『中期のメガネ』を掛ければ、
見えてくる景色はまた違ってくるのですが・・)


「嗚呼・・」というため息とともに、
見事に落ちる市場を見るしか術(すべ)がないのはとても心苦しい状況です。

 

 

こういう時期に狙いを定めて、ネット広告などを通じ、

「金(ゴールド)暴騰を予告」とか、
「今こそリスク限定型の投資信託!」などと勧めてくるのが資本主義の一面です。

 

 

「カンさん、やっぱり投資のやり方を変えたほうが良いのでしょうか?」

 

 

暴落が起きると、
人は「足し算」のごとく
すでに保有しているモノに加え、
「あれも」「これも」と買い足したくなってしまうもの。

(今までとは違う)投資戦略を試したくなってしまうのです。

 


・・ダメですよ。

 

 

『足し算』とは、たいていの場合、
あなたの投資スタイルが崩れる予兆の鐘(かね)です。

 


ヒトはどんなことであれ、
直近の出来事にどうしても「おおげさ」に反応してしまうもの。


ここは一度、深呼吸しましょう。

 

 


『直感ではなく、理性を重んじる。』
これはバンガード社の創設者、ジョン・C・ボーグル氏の至言です。

 


実は、
暴落は「何の」チャンスかというと、
よりコストの低いインデックスファンドに『お引っ越し』するチャンスなのです。


もっと言えば?

 

『引き算』をするチャンスでもあります。


??


仮にあなたが
「日本株式」「先進国株式」「新興国株式」で
ポートフォリオを組んでいるとしましょう。

併せて預金や個人向け国債(10年物)も保有しています。

 

 

ざっくり
株式    50%
安全資産  50% が、あなたの『投資戦略』でした。

 

 

 


ところが今回のコロナショックで、
たとえば

 

株式    35%
安全資産  65% くらいになってしまっています。



『リ・バランス』しますか?



預金を取り崩し、価格が下がった株式ファンドを『買い増し』するわけです。

 

その行為の「ついでに」
たとえば、よりコストが低いインデックスファンドに
すべて『お引っ越し』してしまっても良いわけです。

 



こんなときでないと、
エイヤーって、すべてのファンドを乗り換えるなんて
なかなか出来ませんから・・。


そして「ついでに?」


株式ファンド自体も、
よりシンプルで広範な「全世界株式インデックスファンド」にお引っ越ししてしまっても良いのです。

 

 

 

そうすればもう、
「日本株式」「先進国株式」「新興国株式」の各配分比率で
いちいち悩む必要もなくなりますし、

 

毎年の『リ・バランス』も、

全世界株式 50%
安全資産  50% という基本比率に戻すだけですから、

 


作業としては、
全世界株式インデックスファンドを一部売るか、
買い増しするかだけで、

あっという間にシンプル管理が実現します。



暴落のときこそ、資産管理を『引き算』するチャンスなのです・・。


追記)

今日はたまたま全世界株式ファンドを挙げましたが、
たとえばあなたが、

「日本株式」「先進国株式」「新興国株式」「日本債券」「先進国債券」でポートフォリオを組んでいるなら、今回の暴落を機に、



バランスファンド 50%
安全資産     50% という『引き算』を実施してもよいですよ。

カテゴリ:投資信託あれこれ

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