投資信託あれこれ, 金融機関にモノ申す

ネット5社の投信販売手数料、すべて『ゼロ』へ!(ファンド新時代の幕開け)

2019年12月5日

こんにちは。
投資信託クリニック代表の カン・チュンド です。

なんと言えばいいのでしょう・・、
意外な『クリスマスプレゼント!』とでも形容しましょうか?

ネット証券大手5社で取り扱う
すべての【投資信託】について、
「購入時の手数料」が来年早々にも撤廃される模様です。

買う時の、
余計なコストがキレイになくなるのは(もちろん)良いこと!

○ SBI証券 12月16日から
○ auカブコム証券(カブドットコム証券)年明けから

○ マネックス証券
年明け1月6日から「実質」無料

○ 松井証券 来週、12月9日から
○ 楽天証券 12月16日から

 

上記いずれも日経新聞記事
投信手数料、SBIや楽天も無料化 ネット5社出そろう】に依ります。



どれくらいインパクトが大きいかというと、
11/11現在、
楽天証券の取扱いの投資信託本数は2,657本。

9/30現在、
SBI証券の取扱いの投信本数は2,690本です。

単純にこれらファンドの購入時手数料がすべて
『ゼロ』になるわけです!
(ほかネット3社、+フィデリティ証券も同様。)


この【動き】は??

 

投資信託という商品の『主導権』を握るのが
販売側(金融機関側)から、
あなたやわたし【消費者側】に移ることを意味しています。

 

 

もはやこの『流れ』に抗うことは
だれにも出来ませんから、

 

投資信託を購入する際に
「手数料」を課すような窓口は
(2周分くらい)【時代遅れ】となります。



今、購入時手数料を課している
銀行、または証券会社で「投資信託」を保有している人は、

購入時手数料「完全ゼロ」の【窓口】に、
自分の投資信託を『移す』ことを真剣に考えるべきでしょう。

(これを【口座移管する】と云います)

あなたの投資信託を「別の金融機関」に移す方法(口座移管サービスとは?)

 



 

それから、
以下勘違いのないように・・。

銀行、保険、証券、IFAの人たちが
投資信託を販売する際に、

『販売手数料』を貰えなくなっても、

これらの人たちは
投資信託にけいぞく的にかかるコスト
『運用管理費用』の一定割合を、

販売会社(または金融仲介業者)として、
もらい続けることが出来ますから・・。

 

★ つまり、
購入時手数料が『ゼロ』になっても
「収益」が絶たれるわけではありません。

 

(余談ですが、SBI証券、楽天証券は、IFA経由で投資信託を購入する際、購入時手数料がかかるのであれば、「それがどんな類の報酬なのか」を明確に説明する必要があるでしょう。)

 

 

ところで、
<投資信託の購入時手数料がなくなることで、>

 

1.投資信託が(ようやく)ふつうの
『大衆商品』のひとつとなります。

※ クルマでも洗濯機でもタブレット端末でも
買う時に別途コストを課す「生活商品」なんてありませんから。

 

 

2.商品を買うなら、まず手数料を払ってくださいね、
という「ちょっと高い目線」からの
「販売主導型」の投資信託の流通の終わりです。

そもそもiDeCoやつみたてNISAでは
「購入時の手数料」なんて存在しませんし。

 

 

 

 

 

3.今後、金融機関は
ファンドを売ったり買ったりさせる(回転売買させる)
というインセンティブを失います。

(だって『手数料収入』がなくなるわけですから。)

 

 

4.3.と関連しますが、
今後【新発売のファンド】の乱発はなくなるでしょう。

だって販売時の手数料が貰えなくなるわけですから。

 

 

 

5.銀行や証券会社の人たちは、
自分たちの収益を維持させるために、

顧客に「長く」投資信託を持ち続けてもらうことが
得策であると(ようやく)気付くようになります。

その理由は?

今後は『運用管理費用』の一定割合が
唯一の「収入源」となるためです。

 

 

 

 

 

6.5.を実現するためには、

顧客に「長く」持ってもらえるような、

○ 存続可能性が高く
○ これまでのパフォーマンスが良好で
○ コストがリーゾナブルな投資信託を

今後、勧めるようになる可能性があります。


ここは↑わたしの希望的観測が少し入っていますが(^^;


★ これはとりもなおさず、
「新発売のファンド」が廃れていき、
「既存のファンド」の価値が見直されることを意味します。

 

 

※ あっ、でも、

もしかすると、
運用管理費用が異様に高い、
たとえば、年1.8%、2.0%のようなファンドを
長くもつべき投資信託です!

と言って勧めてくる可能性もあるので要注意です。

 


購入時手数料が「撤廃」されていくことで、
マーケティングの基本である、

 

○ 自分たちが売りたい商品ではなく、
○ お客様が喜び、長く保有していただけるような商品を
販売しようとする姿勢に近づいていく。

 

これがもっとも大きな効用なのです。






画像元:日経新聞記事
投信手数料、SBIや楽天も無料化 ネット5社出そろう


上記記事内で、
マネックスグループの松本大社長が
意味深なことを述べられています。

 

「これまでの売買仲介から、
アセットマネジメント形式で
収益を追うモデルに転換する」という。

 

売買仲介・・・?


個別株も、
投資信託も、

これまでは、

 

売りたい人、
買いたい人、
「ハイハイ、こちらのほうにどうぞ!」的に、

金融商品の取引の場を仕切って、
そこで収益を上げてきたと、
半ば認められているような発言だと思いませんか?

 

 

 


銀行も証券会社も、
運用会社にたくさん「新しいファンド」を作らせて、

投資信託の売り、買いの「機会」を
ふんだんに提供し、
売買の間に入ることで自らの利益を上げ、

肝心のファンド保有者の利益(リターン)を
犠牲にしてきたことに対して、大いに反省すべきでしょう。

今後、投資信託の世界で、
『消費者の立場』が強くなることは明白です。

(また、結果として、
業界の再編を強いることにもなるでしょう)

購入時手数料「ゼロ」化が、
「投資の民主化」を一歩押し進めることになるのです。 

カテゴリ:投資信託あれこれ, 金融機関にモノ申す

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