投資信託あれこれ

60ヶ月『資金流入』が連続するファンドはどれだけスゴイの?

2019年11月28日

こんにちは。
投資信託クリニック代表の カン・チュンド です。

さて、
@どの投資信託が良いのか?
もうこれは誰もが大いに悩むことです。

投資信託の良し・悪しを見る際に、

どうしても
「最近」の
「リターンの数字」に目が行きがちですが、

それは重要な物差しではありません。



リターンの数字だけを見ても
投資信託の特性を、
一方向】からしか見ていないことになります。

一時的に「すごく良いパフォーマンス」になる投資信託は
けっこうあります。

が、問題はそれが『継続するかどうか。』

具体例を挙げてみましょう。

 

 

日本株のアクティブファンドである
JPMザ・ジャパンです。

最新の月次レポートはこちら


当該ファンドのパフォーマンスは
TOPIX(配当込み)と比較しても、
まさに「驚異的」といってよい数字でした。

直近の5年「以前」までは・・。

あれ?


JPMザ・ジャパンの騰落率は、
直近3年、5年とも、
TOPIX(配当込み)と比べて負けています。

ただ、1999年12月の設定以来の成績、
―つまり、トータルの騰落率は、―

TOPIX(配当込み)のプラス45.1%に対して、
なんとプラス447.5%!なのです。

 

では、いったい(5年前、6年前?)に何が起こったのか?

(実は)2013年にJPMザ・ジャパンに
1000億円を超える資金流入がありました。

販売会社に【野村證券】が加わったためです。

 

 

正直申しまして、
これまで【運用ポリシーも成績も素晴らしかったファンド】を、

あまり質のよくない投資家たちが
【潰した】典型例と云えます。

急激な資金流入はファンドにとってどうなのか?

早急に投資先を見極め、
株式をコンスタントに購入していかないといけない『プレッシャー』になり得ます。

(何もしないとどんどん「現金の比率」が高くなってしまいますから。)


その後、
当該ファンドの価格が急落した折など、

この【熱しやすく冷めやすい・新しいファンド保有者たち】は、
我先にと、
安易に投資信託を解約し始めました。

 

 

 


そして(逆に)1000億円を超える解約(資金の流出)を引き起こしたのです。


運用チームの人たちは、
自分たちのポリシーに基づいて粛々と運用を行っているのに、

 

質のよくないファンド保有者による
急激な【解約増】に見舞われたりすると、

保有する株式の売却を迫られるなど、
「イレギュラーな対応」に時間とエネルギーを割かれることになります。

 


ここまで読まれた皆さんは
もうお気づきですよね。

 

実は投資信託のパフォーマンスとは、

作り手(運用会社)と、
使い手(そのファンドの保有者)の【合作】なのです。

 

大事なことなのでもう一度言います。

投資信託のパフォーマンスは、
作り手と使い手の【合作】です。


したがって、
(冒頭の話題に戻りますが、)

あなたが投資信託の諸情報の中で、
もっとも重視しないといけない『指標』は、

ファンドの大きさ【純資産額】なのです。


【純資産額】は小さいより
大きいほうが効率的な運用がしやすいのですが、

今この瞬間の【純資産額】の多寡だけを見ても
あまり意味がありません。

そのファンドを保有しているのが
【どんな人たちなのか?】

 

それを見極めるには?
→ 【純資産額の推移】を見ることです。

※ 時系列で見て、純資産額がゆっくり、
しかし着実に右肩上がりになっているかどうかを見極めるのです。

 

 

 


ちょっと作り手(運用会社)の立場に立って考えてみましょう。

ファンドの運用を
もっとも効率的に、
かつ、同じマインドで継続しやすい『体制』って、

いったいどんな状態なのでしょうか?

カンタンです。

 

緩やかな、継続した「資金流入」が続く状態です。
以下『ニッセイ外国株式インデックスファンド』の純資産額の推移です。

 

 

 

資産運用ですから、
解約が発生するのは仕方がありません。

が、その「解約」も恒常的で安定していれば、
対処がしやすくなりますね。

換言すれば?

不必要、かつ急激な解約が起きていないファンド。

 

そういうファンドの保有者って?

慌てず、長く持ち続けようとしている人たちでは。
また、お金の入れ方もコツコツ積み立てる人たちが多いのでは?

 

そういう投資信託では
純資産額がゆっくり右肩上がりになっているはずです。

ファンドに、恒常的に、
連続して【資金】が流入し続けている証左ですね。

 

ですから、
純資産額がゆっくり右肩上がりになるのです。

 

あなたやわたしが
投資信託の『良し・悪し』を見る
もっとも重要な物差しのひとつが、

・・何を隠そう【資金流入の推移】なのです。

 

実は『モーニングスター』で
各ファンドの
直近5年の「資金流入・資金流出の棒グラフ」が見られます。

 

こちらが
JPMザ・ジャパンの
直近5年の「月次の資金流出入額グラフ」です。




画像元:モーニングスター


上記2018年の11月から、
12ヶ月連続で資金流出が続いていることが分かります。

つまり?

 

つまり、新たにこのファンドを購入して入ってくる資金より、
このファンドを解約して出ていく資金のほうが、
最近は【ずっと多いわけ】です。

 

わたしなら、こういう投資信託は買いません。


ここから類推すると、
たとえば、直近の5年、ずっと「純資金流入」が続いているファンドが
いかに素晴らしいかが分かります。

ぜひ、以下モーニングスターさんの記事を
ご一読ください。
60カ月連続で資金流入となった投資信託が紹介されています。

つみたて人気も反映―60カ月連続流入の“希少”ファンド

あの、
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」も入っていますよ。

 

上記ファンドの月次レポートいちばん上、
【純資産額の推移のグラフ】を見れば、

「なるほど、これが綺麗な右肩上がりか・・」とご納得いただけるはずです(^^) 
こういう投資信託こそ、10年、20年後も元気に存続している可能性が高いのです。

カテゴリ:投資信託あれこれ

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