投資信託は個別株ほど儲からない
2025年3月12日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
○か ×か? でいうと ○ です。
投資信託は個別株ほど儲かりません。
これは原理的に考えて当然でしょう。
たとえば、
任天堂の株式は「一社」ですが、
株式ファンドでは最初から
「何百、何千もの個別株」を同時に保有してしまっていますから。
投資信託という商品はその構造上、
「巨大なリターン」を求めず、
『リスクの制御』に重きを置く投資ツールです。
たくさんの銘柄を ↓ 大きなフクロに詰め込むわけです。
個別株を選ぶ際のワクワク感とか、
特定の株式を保有し、
あっという間に資産が何倍にもなるとか、そういった「華やかな世界」とはまったく違うわけで。
『構造的』に示すとこんな感じになります。
たとえばソニーの株(一社)を持つことは?
(図表でいえば左端の位置!)
銘柄数「1」で
株を保有することに他なりません。
その際、
背中に背負うリスク量(総リスク)は式でいうと、
『個別リスク』+『市場リスク』となります。
たった一社に絞り込んで
その会社のみのリスクを一身に背負うためです。
最初から
銘柄数500銘柄、1000銘柄というふうに「大量の株式」を同時保有します。
ファンドという道具が『銘柄分散』をどんどん進めていくと、自然と市場全体(一例:日本の株式市場そのもの)を保有することに向かいます。
これがインデックス型のファンドです。
仮に、
東京証券取引所
プライム市場に上場する1600社あまりの企業をすべて持つと、
『個別リスク』(個別の銘柄リスク)はほぼゼロになり、
『市場リスク』のみを背中に負うことになります。
(図表の右端になります!)
もちろん、
この『市場リスク』の概念を、
「複数の国々の株式市場」に拡大させることも可能です。
市場 = 全世界株式市場(MSCI全世界株式指数)と想起すれば、
日本を含む47カ国の株式市場を『ひとつの巨大な市場』と捉え、そこにまんべんなく投資を行うことで、そちらでも『市場リスク』のみを背負うことは可能です。
このような概念は、資産が「債券」に変わっても「不動産」に変わっても、同じように援用することができます。
カテゴリ:投資信託あれこれ