為替は堂々巡りをするものです
2025年2月11日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
あなたは外国株式インデックスファンドを保有しています。
この1週間、株価は若干上がったはずなのに、
外国株式インデックスファンドの価格が下がっている・・
「これなんでだ?」という解は、シンプルに円高に振れたためです。
来月で東日本大震災から14年ですが、当時1ドル76円まで「円高」が進みました。
通常、為替リスクの大きさとは、
通貨間のレートの『変動幅の大きさ』で表されます。
外国株式インデックスファンドを保有しているあなたは『100%外貨建て株式』を持つ人。
(たとえ株式の価格そのものが変わっていなくても)
為替レートの変動で
円ベースで見た『ファンド価格』がけっこう上下するわけです。
(これが為替のリスクですね)
為替リスクは
株価の変動リスクと同じように、
良い側にも、悪い側にも両方で発露します。
(各株式の価格が変わっていない状況で)
「円安」に振れれば、
外国株式インデックスファンドの価格は上昇します。
(逆に、各株式の価格が変わっていない状況で)
円が総じて「円高」に振れれば、
外国株式インデックスファンドの価格は下落します。
が、しかしです。
「円高」になると
すべてが良くないかといえばそうでもなくて、
より少ない元手で外貨建ての株式が買えるようになります。
(株式の価格が変わっていないのなら。)
広く世界に投資を行う人は、
それが日本人であれ、フランス人であれ、
エジプト人であれ、マレーシア人であれ、
ニュージーランド人であれ、
誰もが【為替リスク】を負うわけです。
ちょっと深呼吸をして、
世界の人々の「お金の持ちよう」をイメージしてみてください。
(あなたのお金を含め)
世界中の『お金』って基本、
どこかの【通貨】で保有されています。
『10種類の通貨』しか存在しないと仮定しましょう。
この『10種類の通貨』は毎日、
「人気コンテスト」に出場しているようなものです。
常にどこかの『通貨』が買われ、
常にどこかの『通貨』が売られます。
より正確に言うと、
どこかの『通貨』が買われた分、必ずどこかの『通貨』が売られるわけです。
【10大通貨、同時暴落!!】という記事が載ったりすることはありません。
上昇してしまうこともありません。
あなたが10万円を出して、
外国株式インデックスファンドを買えば、
あなたの10万円は
先進国(地域)の13の通貨に替わって
そこから「各国の株式」を
買い付けることになります。
オンライン参加型ゲーム【13の通貨★どれがいちばんゲーム】に夢中になっていました。
13種類の【通貨の顔】をした、
13匹のモグラが画面に並んでいて、
ひとつひとつの
通貨の動きに注目すると、
ある通貨は地面から顔を出し(価値が上がり)、
ある通貨は穴の中に隠れます(価値が下がる)。
それが不規則に、
かつ連続的に起こっているのが、
『通貨』(currency)という名のマーケットの原形です。
不規則にモグラが顔を出したり、
穴の中に隠れたりする一連の動きは、
『変動相場制』が続く限り永続します・・。
目先の金利が高いからといって、
『オーストラリアドルの顔』をした
モグラだけを保有し続けるのは果たして健全でしょうか。
今『米ドル』が強いからといって
『米ドルの顔』をしたモグラだけを保有するのですか。
逆に「これだと為替リスクがないよね」
ということで、
資産のほとんどを『円建て』で持って
果たして健全といえるのか・・。
ここはいっそ【発想の転換】をして、
長―い目で見れば、
多くの通貨を
なるだけ広範囲に持つことで、
かえって『為替リスク』に対して中立に近づけていく・・
なんだか「灯台下暗し」みたいな話ですが、
実際そうではないでしょうか。
あなたがその投資信託を【解約するとき】です。
それは・・まだずっと先のはなし。
2000万円相当の外国株式インデックスファンドを、果たして一度に売るでしょうか?
多分、2035年から15年とか20年をかけて、
少しずつ解約して『生活費の足し』にしていくのでは?
つまり
長い時間をかけて、
少しずつファンドを取り崩していく道程で、
円高傾向になったり、円安傾向になったり、
どっちつかずだったり、
さまざまな『場面』を経験する可能性が高いわけです。
そんなに怖がり過ぎることはないのです・・。
カテゴリ:経済よもやま話