投資信託あれこれ, 金融機関にモノ申す

「さんま塩焼き」(単品)と「さんま定食」はまったく別物です( ダイワDBモメンタム戦略ファンドについて)

2025年2月4日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。


残念ながら、投資信託の中身を『わざと』複雑にして、もらえる手数料を膨らませるようなファンド製品が、日夜生成されています。

 

たとえば、京成立石では、

 

「さんまの塩焼き」の単品が480円(税込)で売られているとしましょう。

 

 

 

 

仮に、この「さんまの塩焼き」に
意味のない「ごはん」を10粒だけ加えて、

 

 

「はい、これで
さんま塩焼き定食ですよ。880円(税込)になります!」

 

なんて言われたら、

お客さんは怒り出すはずです。

 

 

 

 

(残念ながら)これと変わらないことが、
投資信託では行われています。

『具体例』を挙げてみましょう。

 

ダイワDBモメンタム戦略ファンド」という投資信託があります。
(運用会社は大和アセットマネジメント)

 

当該ファンドの特色は?

 

 

 

 

まあ、アメリカの株式や、長期金利や
USドルに直接投資するのでしょう。

 

投資信託って『大きなフクロ』のことですから、
どんなファンドであろうと、

 

フクロの中に「株式」や「債券」をせっせと詰め込むわけです。

 

ところが以下、
当該ファンドの仕組みを見てみると・・。

 

 

 

あれ?

どうやら当ファンドが直接「株式」などを買い付けるのではなさそうです。

 

『投資対象ファンド』(ふたつのファンド)を買っているようです。

 

つまり、
「ダイワDBモメンタム戦略ファンド」という
フクロの中に、

さらに『ふたつのファンド』を詰め込む形です。

 

そう、これは立派な『ファンド・オブ・ファンズ形式』。

 

 

 

 

 

なんだかおかしいなと思うのは、

上の図表内、
ブルーで塗られたほうの【投資対象ファンド】

―外国投資信託(円建)― が、

アメリカの株式、アメリカの長期金利、USドル、金(ゴールド)を対象とするモメンタム戦略指数に投資を行っている点です。

 

 

ん?・・だったら、
この投資対象ファンド(外国投資信託(円建)を、そのまま商品にすればいいじゃん・・。
って思いませんか?

 

 

いったい何のために、
わざわざ『投資対象ファンド』を間に挟んでいるの?

 

 

 

 

それは・・、

 

それは、

金融機関にとっての報酬である、
『運用管理費用』をより多く取るため。

 

 

 

 

上の図表は、

 

普通の「さんまの塩焼き」で
わざわざ意味のない『ごはん』を10粒だけ加えて、
「はい、さんま塩焼き定食、880円になるよ!」
と言っているのと変わりません・・。

 

 

 

注:この場合、
『ごはん』10粒の役割を果たすのが、

 

 

 

 

意味のない、
(円建ての債券に投資するだけの)
『ダイワ・マネーアセット・マザーファンド』↑です。

 

※ 実際、この投資信託の
目論見書」を見てみると、

 

『マネーアセット・マザーファンド』の
運用管理費用については【かかりません。】と明記されているのです。

コスト「ゼロ」より怖いものはない・・・

 

 

消費者からより多くの報酬を得るため、
わざわざ『ファンド・オブ・ファンズ形式』にしているため、

 

「ダイワDBモメンタム戦略ファンド」の
運用管理費用は、
計1.936%(税込)程度となります。

 

 

 

上記を見ていただくと、
1.161% + 0.775%程度で、結果として手数料を『二重』に徴収していることが分かります。

 

0.775%程度が内側のファンド(投資対象ファンド)のコストで、1.161%が外側のファンド(ダイワDBモメンタム戦略ファンド)のコストです。

 

 

決して少なくない運用会社が、
このように意味のない
『ファンド・オブ・ファンズ形式』の投資信託を数多く運用しています。

 

 

私たち消費者が情弱?ゆえに、馬鹿にされているような気がしてきませんか?

 

まずは、このような悪質なファンドの『仕組み』を知ること。

 

 

 

 


そしてNO!の声を上げる人(そのようなファンドは買わない人)を増やすこと。 

 

そうすれば、このような投資信託は早晩作られなくなるはずです。

 

 

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