なぜ、ニッセイ外国株式インデックスファンドに昨年「資金流出」が起こり、楽天全米株式インデックスファンドでは、それが起こらなかったのか?(前編)
2025年1月30日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
いちおう屋号が投資信託クリニックですので、
毎日1回は
ファンドの『月次レポート』を見るようにしています。
また、投信協会の各種データを眺めるのも、半分趣味のようになっています(笑)
ファンドの数字、
ファンドの用語を繰り返し見ていると、
流れの中で、
本質的な『疑問』に遭遇することがあります。
たとえば
ファンドの規模、大きさを示す指標に「純資産額」があります。
『ニッセイ外国株式インデックスファンド』を例に挙げますが、サイトを見ればその純資産額は8100億円余りとすぐに確認できます。
ところが、です。
どこを見ても、
【口座別】の純資産額や、【口座別】の純資産額の割合は分からないのです。
つまり、
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドを、
―以下「ニッセイ外国株式」と記述。―
〇一般口座で保有する人もいれば、
〇特定口座で持っている人もいれば、
〇SBI証券のイデコ口座で長年積立てている人もいれば、
〇旧NISA(一般NISA)で持っている人も、
〇旧NISA(つみたてNISA)で持つ人も、
〇新NISA口座で買っている人もいるわけですが、
それら【口座別】の純資産額(とその比率)は見えてきません。
「ニッセイ外国株式」は2013年12月の設定で、そこそこ長い歴史を持ちます。
(以下はわたしの推察ですが、)
当該ファンドは当初、
特定口座、一般口座で積立投資したり、スポット購入した人が圧倒的に多かったのではないでしょうか。
以下、あくまで「時代変遷的」な考察です。
たとえばSBI証券では
個人型の確定拠出年金の取扱いは古くに始まっていましたが、まだ「マニア」のみが知る、非常にマイナーな税制優遇制度でした。
個人型確定拠出年金の愛称「iDeCo(イデコ)」が決定したのは2016年。制度改正に伴い、iDeCoの知名度が広がり始めたのは2017年以降のことです。
あるいは旧NISA制度はどうでしょう。
旧NISAのひとつ「一般NISA口座」がスタートしたのは2014年です。
口座数は順調に伸びていきますが、
買われていた金融商品のメインは「個別株」でした。
ちなみに同じ旧NISAの
「つみたてNISA口座」がスタートするのは2018年になってからです。
「ニッセイ外国株式」は、特定口座の純資産額比率が相応に高いファンドと思われます。
そして2024年「新NISA」がスタートしました。
当該ファンドの直近4年間の
『月次資金流出入額』を覗いてみましょう。
画像元:SBI証券
2023年11月、12月、24年1月と
「純資金流出」になっているのが分かります。
また、2024年11月、12月も同様のことが起こっています。
あなたは「なぜ」だと思われますか?
続く・・)