全世界高配当株ファンドという選択肢(その2)
2024年12月16日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
昨日の続きです。
注目したい全世界高配当株ファンド。
当ファンドは10月1日に運用を開始しました。
ちなみにこちらは『アクティブファンド』です。
運用会社はSBIアセットマネジメント。
当該ファンドは以下4つの
「マザーファンド」を、
SBIアセットマネジメント(運用会社)の判断で、任意に組み合わせることで運用を行っています。
画像元:SBIアセットマネジメント(交付目論見書)
より掘り下げて言いますと、
上記一つひとつの「マザーファンド」については、銘柄(株式)の組み入れは『アクティブ運用』であり、
運用会社(SBI AM)による
「目利き力」(独自の判断)でファンドの中身が構成されます。
画像元:SBIアセットマネジメント(交付目論見書)
具体的には
それぞれの「マザーファンド」において、
平均配当利回りが市場平均を上回るよう、銘柄の選定を行う。
<なのでインデックス型ではなく、アクティブ型>
最後に、
各マザーファンドに対する投資配分についても、運用会社(SBIアセットマネジメント)の判断により随時変更するとしています。
画像元:SBIアセットマネジメント(交付目論見書)
アクティブらしいアクティブファンドと言えるでしょう。
高い「分配金利回り」を目指すことが、当ファンドのポリシーなのですが、目論見書を見ると、
『予想分配金利回り』年4.00%
と記されています。
※上記はあくまで
2024年8月26日時点での「基準モデルポートフォリオ」における実績配当率(税引前)です。
昨日ご紹介した
「(アムンディ・インデックスシリーズ)オールカントリー・高配当株」との運用ポリシーの違いは明快でしょう。
(アムンディ・インデックスシリーズ)オールカントリー・高配当株は、
指数との連動を目指す、
純粋な『インデックスファンド』。
SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)は、
運用会社の目利きによって高配当の銘柄をピックアップし、かつ入れ替えていく、純粋な『アクティブファンド』。
ふつう、
同じような『投資対象』であれば、
・アクティブファンドより、
・インデックスファンドのほうが
運用管理費用(信託報酬)は低くなるのですが、
SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)ではそれが真逆で、運用管理費用はナント 年0.0550%(税込)
あの『オルカン』より低い継続コストなのです。
あっ、でも
手数料の低さだけで
「投資信託」を選んでしまうのは本末転倒ですよ。
わたし個人としては
投資信託の『選択』においては、
運用会社の目利き力という能力よりも、
市場平均の中身を新陳代謝していく『指数』との連動のほうに効率性を感じるため、インデックスファンドのほうを選びます。
ところで
アムンディのオールカントリー・高配当株ファンドに比べると、
SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)の資金流入は順調です。
10月度およそ59億円、
11月度およそ21億円の純資金流入がありました。
12月13日現在、純資産額は90億円強となっています。
なお販売会社は(今のところ)SBI証券のみです。
また「NISA」成長投資枠に対応しています。
最後に、2本のファンド
(アムンディ・インデックスシリーズ)オールカントリー・高配当株、SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)の『共通点』についてです。
米国のみの高配当株を組み入れるより
国・地域を「世界規模」に広げて、
より多彩なエリアから、
『高配当株式』をピックアップするという姿勢のほうが、より高度な分散につながる・・。
この点、2本のファンドは同じ志(こころざし)を有しているといえます。
これは
ノーマルな「株式インデックスファンド」において、
「S&P500(米国株式)ファンド」も良いけど、
オルカン(全世界株式ファンド)を購入すれば
米国株式をメインで持ちつつ、
他のさまざまな国・地域の株式も併せて保有できるよね!
というのと同じ『理屈』といえます。
2回シリーズにお付き合いいただき、ありがとうございました。
カテゴリ:インデックス投資全般, 投資信託あれこれ