投資では一発逆転を目指さない、二百四十発逆転でOKです
2024年11月24日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
自分の歴代ツイートの中で
わりと気に入っているものがあります。
それがこちら。
毎月5000円の積立投資なんて
打ち上げ花火で「月」を目指すようなもんじゃない?
いいえ、それでも飛ばさないより飛ばしたほうが「月」に一歩近づきますよ。
資産形成する、なんて記すと、
何やら大げさで、
ボリューム大きめの、派手な話に転換されがちですが、
『資産形成』の内実は
地味で目立たない小さな事の積み重ねです。
フツーの会社員の人が
忙しさにかまけて
入ってくるお金だけを漫然と消費し続けて、
「あれ?手元にお金があんまりないよ。」と、62歳になって慌てたりしないよう、
月5000円でも1万円でも
コツコツ積立投資をしましょうと説くのは、資産形成・基本の「き」の部分でしょう。
往々にして毎月カツカツで
生活に閉塞感を抱いている人ほど、
虎の子の100万円 ⇒(一気に)1,000万円!
〃 200万円 ⇒ ⇒ 3,000万円!のような
『一発逆転』の発想に陥りがちです。
たとえばナスダック100指数の
一日当たりの値動きの2倍程度を目指す
「レバレッジ・ナスダック100」(レバナス)のような投資商品に魅かれたりするのでしょう。
でも上記は残念ながら、
資産形成というよりは
レバレッジを利かせた投機に近いとわたしは思います。
今、家族や仕事のことで
精神的にまいっている人。
(仕事でいえば)
転職しようかどうかで迷っている人。
自分のこれから(将来)を考えると、
「あーあ」と電車の中で思わずため息をついてしまいそうになる人。
ちょっと深呼吸してみませんか?
あなたがどこに住もうと、
何をしようと
最近調子が悪くても(良くても)
私たち人間が等しく享受しているモノは?
【時間】です!
この貴重かつ固有の資産は
誰からも邪魔されず、
また誰にも侵食されることがありません!
将来いくらお金が用意できるだろう?とか、
同い年の友だちの年収とか、
公的年金の行く末とかを気にし過ぎず、
「二百四十発逆転の発想」を持って積立投資を始めませんか。
100万円 ⇒ 1,000万円のように、
エイヤー!っと
一気に「向こう岸」に跳ぼうとしなくてよいのです。
毎月コツコツ20年にわたってお金を積み上げ、
20年 =『240発逆転の発想』を持つのです。
240ヵ月(20年)をかけて資金を積み上げていく『連続行為』を指します。
「でも、カンさん。
なんだか最近、株式市場も上がり過ぎじゃないですか?」
たしかに・・。
米国株式の株価収益率(PER)が
米国を除いた世界株式の1.8倍に達しているというポストもあります。
米国株の株価収益率(PER)は世界株の1.8倍に達しており、2000年のドットコムバブル以来の最高水準である。リーマンショック以降、S&P 500は447%、NASDAQは786%のリターンを記録しており、米国以外の世界株指数(MSCI World ex-USA)の52%を遥かに上回っている。米国株は過大評価されているのか? pic.twitter.com/DFW7D0bPR7
— 朝倉智也(Tomoya Asakura) (@tomoyaasakura) November 23, 2024
もしも市場に大きな下落が起こって、
直近の高値から20%、25%と調整することがあっても、
それはつみたて投資家にとっては『チャンス』でしかありません。
むしろ「つみたて初期」の頃の下落相場は喜々として、「保有する口数を稼げる好機なんだ!」と認識すべきでしょう。
〇一発逆転思考の人
ポン!とアメリカ株式ファンドを500万円分買いました。
アメリカ株式 → マイナス25%
→やられた!
→自分の資産も25%減った!
よりも、
〇二百四十発逆転思考の人
アメリカ株式ファンド毎月5万円積立てています。
今16ヵ月分買って 80万円です。
アメリカ株式 → マイナス25%
→やられた?
いいえ。
20年のつみたて = 240回の買い付け実行のうち、
まだ「16回分」しか執行していません・・。
来月も、その次の月も
変わらずアメリカ株式ファンドを5万円分買い続けます。
〃
〃
〃
これを10ヵ月続けて、
さらに計50万円分アメリカ株式ファンドを買っても、
アメリカ株式 → マイナス25%のまま。
→やられた?
いいえ。
まだこんな段階(240回のうち、26回分の執行)で、儲かったか損したかなんて断言できるでしょうか。
(むしろ)千載一遇の「口数を稼ぐ機会」となっている。と解釈しましょう。
ほんとうに20年つみたて投資を続けたら、
あなたの投資の『成績』は、
ファンドの保有総口数 × ファンドの最新価格 で計算されます。
『口数』を増やすことも立派にリターンにつながるのです。
カテゴリ:つみたて投資