大学に資産運用が必要な理由
2024年10月15日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
納付される入学金や
年間の授業料や寄付金を用いて、
と思われる人が多いかもしれません。
事実、
思慮的かつ戦略的に資産運用を行っている大学(日本)は、国際基督教大学(ICU)などを除けばまだまだ少数です。
国内の大学の資金運用状況 pic.twitter.com/qQhhypwcrM
— 服部孝洋(東京大学) (@hattori0819) October 11, 2024
少し「そもそも論」に寄り道させてください。
金融とはほんらい、足の裏のことです。
一人の人間を『社会』と捉えれば、
「金融」とは足の裏、
すなわち縁の下の力持ちです。
特に「資産運用」は、
ふだんは見えにくい足裏の血管とか筋肉そのものを指します。
その足裏の血管、筋肉が丈夫で、
それなりの大きさに成長していけば、
人間そのもの(社会)の規模も大きくなり、しっかりした土台のもとで、さまざまな活動が可能になります。
「大学」も社会を構成する重要なパーツのひとつです。
したがって、
金融(資産運用)にそこそこ頑張ってもらうことで、有形無形の恩恵が得られるはずです。
(もしかすると)駅前の商店街の入り口のタバコ屋のご主人は、
「資産運用なんかが(この世の中で)何の役に立つの?」と、訝しく思っているかもしれませんが、
大学が
思慮深い「資産運用」を実践することは、
タバコ屋のご主人にも
わたしにも
あなたにも深く関係してくると私は思います。
大学は
あなたやわたしが高等教育を受ける機関です。
と同時に、
研究機関でもあります。
物理化学、医療科学(特にバイオテクノロジー)
情報通信、最新工学、ロボット、宇宙開発、AI(人工知能)など、研究分野は実に多彩ですが、
なにせ『時間』と『お金』がかかります。
遠い将来を見据えた研究ほど、
こころとお財布の『余裕』が要るわけです。
アメリカという国の
「何が」強みかといえば、
このような高等教育機関による諸般の研究開発の、裾野とインフラと予算ベースの余裕具合が桁外れに大きいことです。
大学での研究内容とその成果は、
アカデミックな世界の中に留まりません。
周辺の産業と連携しながら、
(長い目で見れば)実際にその国の、次なる経済の柱(はしら)を形作ることに繋がったりします。
特に、
成果が表れるまでに
途方もない時間がかかる「基礎研究」では、
『お金』という名の潤滑油を注ぎ続けられるかどうかで、大きな差異が生じてくるのです。
〇 その費用を拠出し続けられる(大学における)財政上の基盤がしっかりしているかどうか。
潤沢な研究開発費を拠出し続ける、財政上の基盤を形成するために、大学の資産運用は存在します。
海外大学のポートフォリオ pic.twitter.com/gSYHrY62LP
— 服部孝洋(東京大学) (@hattori0819) October 11, 2024
※ちなみに↑運用残高 billionは単位が「10億ドル」です。
「東京工業大学」と「ハーバード大学」では200倍以上の資産額の相違があります。
あなた個人の人生に
幾ばくかの資産運用が必要なのと同じように、
大学という運営主体にも資産運用が必要です。
そして、
今発表ラッシュが続く「ノーベル賞」のノーベル財団にも、もちろん資産運用は必要なのです。
カテゴリ:ポートフォリオ運用