100年ライフプラン, 金融機関にモノ申す

親子の金融リテラシー『格差』について

2024年9月15日

 

こんちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

どこにでもいる
一組の「親子」を想像してみましょう。

 

山口良夫さん(仮名)は40歳。
お父様の
山口達郎さん(仮名)は70歳。

 

 

仮に達郎さん(70)が投資をしていて、
良夫さん(40)がまったくお金に無頓着であれば、

お父様としては
「ちょっとはお金のことも学びなさい」と
息子さんに苦言を呈するかもしれません。

 

 

 

 

 

ただ、
わたしの相談業務上の「経験値」としては、

 

息子さん
娘さん世代のほうが、
親御さん世代より
金融リテラシー全般については長けていると感じます。

 

理由はけっこうシンプルです。

 

金融知識に対する【危機感】が
親子で大きく異なるためです。

 

 

いちばん分かりやすい例が
『金利』でしょう。

 

 

山口良夫さん(40)は
銀行口座を持ってはいても、

これまで、
『金利』が付いて
お金が増えるという「感覚」を持たれたことがないと思います。

 

 

 

 

 

日本はこの30年ほど
デフレ傾向で
かつゼロ金利で、

実際「預金」ではほとんど金利が付かず、お金が増えることもありませんでした。

 

 

いっぽう、
山口達郎さん(70)は若い時分から、

定期預金にお金を預けていれば、
そこそこお金が増えたという経験をお持ちです。

 

この、
少しずつ増えたか否かは、

実は給料でも好対照といえます。

 

 

 

 

 

(果たして)給料が上がり続けていたか?

 

山口達郎さん(70)は基本YESでしょう。

 

しかし、
良夫さん(40)は
給料がなかなか上がらないというもどかしさを経験されているはず。

 

 

→ 良夫さんは、

金利が付かない
給料も伸びないから、

自分でリスクを取って、
自分でお金を育てていかないといけない、

 

そういう『必要性』
ひしひしと肌身で感じることになります。

 

 

逆に、
達郎さん(70)はこれまで、

自分でリスクを取って、
自分のお金を育てないといけない『必要性』を、感じずに来れたわけです。

 

 

 

 

 

二人の年齢の違いは
たった30年ですが、

見える景色は大いに違います。

 

 

良夫さん(40)にとって、
銀行預金は
自分のお金を預かってもらう『金庫』のようなところです。

 

 

いっぽう、
達郎さん(70)は
銀行預金で(そこそこ)お金が増えたため、
お金の置き場所が「預金」で完結していた。ともいえるのです。

 

 

40歳の良夫さんは
そもそも『高金利』を知りません。

 

 

ですので、

年率7%、8%と謳われても、
なにか「異質なもの」を感じ、

(その商品に対して)健全な警戒心が芽生えやすいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

いっぽう
70歳の達郎さんは、

昭和の終わりから平成のはじめにかけ、

年率7%、8%という『高金利』を、
郵貯の「定額貯金」やニッセイの「養老保険」などで見聞きされていることでしょう。

 

そのためかえって、

 

年率7%、8%と謳う
『高金利』の商品を
信じてしまいやすい傾向にあるのです。

 

 

冷めた言い方をすれば、

 

銀行や証券会社や保険会社などは、

このようなシニアの方々の
金利に対する『感応度』をよく知っていて、

それを販売戦略に取り入れ、

 

新興国の債券や
毎月分配型ファンドや
外貨建ての保険商品を売っていると云えます。

 

 

 

 

 

良夫さんは
毎月の収支をなんとか保ち、
資産形成はこれからだけれども、金融知識はそこそこ備えており、

 

いっぽう達郎さんは資産に余裕はあるけれど、
金融知識は少し乏しい部分があるという『世代間構図』ではないでしょうか。

 

ココに親子が助け合う余地があります。

 

日頃から、
お金全般について
何気に話ができる雰囲気づくりをしておくことが大事ですね。

 

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