投資信託あれこれ

ユーロ建てMMFの復活を望みます

2024年7月10日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

よく考えてみると、
つい先年のことですが、

2020年5月に
ニッコウのカナダドルMMFが繰上げ償還されました。

 

当時(20年4月時点)、
カナダの10年物国債利回り(=長期金利)が
0.573%となり、史上最低を更新しました。

 

もちろん新型コロナウイルスの影響です。

 

 

 

 

 

2020年は日本、西ヨーロッパだけでなく、
アメリカ、カナダなどでも『ゼロ金利』に近づいていきました。

(あのオーストラリアでさえ、長期金利が1%を切っていた!)

 

 

(ところで)外貨建てMMFとは、

 

満期までの期間が短い国債、公債、社債を中心に、コール・ローン、CP(コマーシャル・ペーパー)などに投資を行い、元本と流動性を確保しながら収益の獲得を目指す投資信託のこと。

 

 

ただ、債券を保有しても
ほとんど金利が付かない状況では、
元本を確保しながら運用を継続していくのは困難・・、

 

ということで、
当時、繰り上げ償還される外貨MMFが相次いだのです。

 

 

 

 

これって実は、
2012年の
「ユーロ建てMMF」繰上げ償還の際とまったく同じ構図。

 

 

さて、今現在、
外貨MMFの商品ラインナップ(野村證券:例)はどうなっているのでしょう?

 

 

 

画像元:野村證券

 

素晴らしい、正常時に戻っています。

 

 

ただし、です。

 

ユーロ建てMMFがありません。

 

 

 

 

金利が低いから?

いいえ、そんなわけでもありません。

 

 

 

 

画像元:Bloomberg

 

相応に
欧州の長期金利は戻ってきています。
(※イギリスはポンド建てです。)

 

 

日本の投資家は
外貨といえば「外貨預金」に走りがちですが、

外貨の入門といえば、
外貨建て債券をパッケージ化した『外貨MMF』でしょう。

 

何しろ「外貨」そのものを買っているのではなく、
外貨建ての「債券」を購入するわけで、単純に「債券」まで購入する分、期待リターンが(外貨のみを買うよりも)高くなります。

 

 

 

 

 

またファンドですから、
いつでも任意に(時価で)解約することが可能です。

 

ユーロ圏の外国籍投資信託の組成状況が(何か根本のところで)変わってしまったのでしょうか。

 

早期の『ユーロ建てMMF』の復活に期待します。

もちろん「円建てMMF」も、です。

 

カテゴリ:投資信託あれこれ

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