投資信託の道
2024年6月13日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
俗に「投資信託」といいます。
各国で呼び名は違いますが、
そのコンセプトは同じです。
世界という地平から見渡せば、
「投資信託」は金融商品のベストセラーであり、一般生活者にもっとも馴染みがある投資商品となっています。
世の中には何十万本という投資信託があり、堅実な支持を集めていますが、この商品の成り立ちについて、私たちは逡巡することがあまりありません。
アクティブファンドにしろ、
インデックスファンドにしろ、
投資信託の『成分』となっているのは?
個々の株式会社です。
※ここでは株式ファンドを想定します。
ヨーロッパの株式ファンドなら、
ヨーロッパの株式会社が
投資信託の「構成要素」です。
業種もさまざま。
設立年もさまざま。
従業員の数も、企業統治のしかたも、数多の会社がそれぞれの「ユニークさ」を競っています。
かりにも上場している『株式会社』ですから、
欧州なら欧州にある
何百万、何千万社という会社の中でも、
ほんの一握りの『超優秀な企業』ということになります。
たとえば、こんな具体例。
『オルカン』が組み入れる株式会社は2700社を超えますが、そのうちの一社に、スイスのAdecco Groupという会社があります。
Adeccoはチューリッヒに本拠を置くグローバルな人材サービス会社です。
本社の住所は、
Bellerivestrasse 30 CH-8008 Zurich Switzerland
こういう、
あなたが見たこともない、行ったこともない、触れたこともない優秀な企業群に、
日本でお昼寝をしながら「投資」ができるって、(考えてみると)スゴいことだと思いませんか?
どうしてこのような投資商品が成り立つかというと、
国や言語や社会風習が違っても、
互いが『共通の評価要素』= 株式会社 という軸を保持しているためです。
国が違っても、
株式会社とそれを支える仕組みは同じ。
そして、
株式会社の成績を見る
財務諸表のルールも基本同じです。
ですから、
トルコのH株式会社の比較ができるわけです。
投資信託が組み入れる
個々の株式会社を概観すると、
もちろん内需系の企業もありますが、
換言すると・・?
多層で活発な自由交易が保証されているからこそ、多くの株式会社で、膨大な利益が生じているとも云えます。
例えば、ネットフリックスという会社は、世界中に『動画コンテンツ』を提供していますが、
国によって「○〇の類の動画はダメ」「コンテンツの1割以上は宗教的な色彩を帯びていないと不許可です」なんて言われたら、
これほど普及はしなかったはずです。
つまり、
ヒトやモノやカネが自由に行き交い、
世俗主義という看板が多数を占める・・
要は・・、
世の中が平和で自由な交易があるからこそ、
あなたが株式ファンドを保有し、
ファンド価格が上昇し、あなたの資産が増えるというプロセスが実現できるわけです。
ココ、伝わっていますか?
しかしながら、
世の中が平和で自由な交易がある、というのは(実は)薄氷です。
大勢の人が良識を堅持することによって、
平和で自由な交易が維持されています。
この、
薄い氷の層にヒビが入れば、
世の中全体が内向きになり、
偏狭な考え方が支持を集め始め、
徐々に徐々に、
世界を股にかけて移動するモノ・サービス・カネ・ヒトの量が減り、かつコストが上昇していきます。
これこそ、
私たち投資家が憂慮しないといけないことなのです。