「ワッショイNISA」状態、少しは落ち着いたでしょうか?
2024年5月19日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
もしかすると、
NISA(ニーサ)という言葉は、
10年を経て
ようやく「一般語」に近くなったのかもしれません。
練馬区のスーパーマーケットで、
トマトを手にしながら、
ご近所の人同士が
「なんか最近ニーサってよく言ってるけど」
みたいなレベル感になってきている節があります。
(おそらく「NISA」または「オルカン」は
今年の流行語大賞にノミネートされることでしょう。)
きっかけは何であれ、
多くの人が投資に興味を持つのは素晴らしい事なのですが、
だんだん情報が押し広げられると、
早く・大きく(NISAを)やらないと!
と思いがちになるのです。
以下、わたしからのTipsです。
これ、重要です。
あくまであなたのペースで、
あなたが入金できる範囲内でNISAを利用しましょう。
非課税期間は無期限なので、
制度はいつでも
「あなた」をちゃんと待っていてくれます。
運用関係者や広告関連業者は
「部外者」ではなく、
『部内者』なので、
ワッショイNISAの如く、
熱気で盛り上げようとしますが、
制度を利用するあなた自身は
非課税だからといって、
「もうちょっとリスク取って大丈夫か。」とか、
非課税だからといって、
「よりリターンが高いモノにしよう」とか、
『勢い』で決めてしまわないようにしましょう。
※もし、熱くなっちゃったという人は、
クールダウンして
積立金額なり、投資対象なりを変更しましょう。
NISAは長い道のりですから、
途中で修正が加わってもなんら問題はありません。
NISA口座は非課税。
これをシステム上、
どう処理しているかというと、
口座内で利益を『利益として認識しない。』
ということなのです。
システム上、
NISA口座では
商品の時価(評価額)が在るのみ。
したがって
『利益』を認識しないのと同様、
『損失』も認識しません。
これがNISA特有のデメリットです。
特定口座(課税口座)であれば、
『損失』を認識してくれますから、
他の『利益』あるモノと併せて売却することで、
損益通算することが出来ます。
そういった類の投資の『仕切り直し』は出来ません。
たとえば「オルカン」をNISAで保有して、
300万円まで増えたけれど、
そのあと暴落が発生して200万円まで下がったら、
また元本を回復するまで、
あるいは300万円に戻るまで、
長いトンネルをゆっくり歩むように、その場所(NISA)に居続け、耐え抜く必要があるわけです。
NISAは
大きな非課税枠ばかりが強調されますが、
投資経験者のあなたにとっては、
資産運用をシンプル化させるチャンスです。
たとえば特定口座や一般NISAで
個別株やETFや各種ファンドをお持ちであれば、
これ(NISA)を機会に
乗り換えを実施し、NISAではシンプルに1本、2本のインデックスファンドのみに資産を『集約』させましょう。
特定口座からの乗り換えを
躊躇される例も見受けられますが、
課税されない箱へ、ファンド資産を移すことですから、―
10年超の運用期間があるなら、
思い切って実施されたほうがよいでしょう。
6月になれば、
NISAが始まってからちょうど5か月になります。
もう「ワッショイNISA」的な熱気は過ぎ去りましたが、
また12月になれば、
『今年のNISA投資枠は
12月○○日までのご注文が最後です』
『NISAへの投資枠、まだ余っていませんか?』
『今年のNISA投資、どうかお忘れなく』
みたいに煽ってくる可能性が高いです。
でも、
焦らず、慌てず、ですよ。
カテゴリ:NISA活用法