証券口座の代理人制度について
2024年4月23日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
『老いる』とは、
「元気さ」から卒業したあと、
体や心の状態が芳しくない
長~~~~い時間的経過とその状態を指します。
その後、
仮に本格的に病気になったり、
要介護状態になったり、
あるいは認知症になったりしても、
それからも、余生的な時間は長く続くのです。
ちょっと『老いる』の 真ん中あたり を想像してみましょう。
仮にあなたが77歳だとします。
もしかすると
どこかに「病気」を抱えているかもしれません。
「病気未満」でも、
どこかに心身的な「不調」を抱えているかもしれません。
かと言って、
認知症のような状態にも至っていない。
自分の身の回りのことは把握できても、
今日の自分と
心身面で折り合いを付けるのが精いっぱいになっている時に、
果たして適切に管理できるでしょうか?
そもそも自分で管理「したい」と思いますか。
信頼できるお身内に
管理を任せたいという気持ちが湧いてくるのは、しごく自然な流れでしょう。
野村證券では
場合によって取引代理人を認めています。
画像元:野村證券
投資家ご本人以外を
事前に『代理人』に指定して、
本人に加え、代理人による口座取引も可能にしているのです。
ただし、
オンライン専用支店では代理人制度は設けていません。
(以下はわたしの私見に過ぎませんが、)
野村證券では、
一定金額程度以上の預け入れ資産があること、
また、一定年数以上の取引期間があることなどが、『代理人』を認めるか否かの考慮のひとつになっていると推察します。
このような取引代理人制度は、
しっかりと法整備を進め、
証券業界、いや「金融業界全体」で推し進めていくべきではないでしょうか?
なぜなら、
人間の寿命が予想以上に延びており、社会的ニーズが高まっているためです。
あなたもわたしも、
10年、20年超と過ごす可能性を大いに秘めています。
何しろ、
2022年の主な死因『第3位』は 老衰 なのです。
画像元:厚生労働省
大きな病気によらず、
心身の機能の許す限り生きて「生」をまっとうするという、人類の願いを結実するような死に方(=老衰)がランクインしているわけです。
老後が40年超続くのは
絵空事ではありません。
病気になれば、
専門家(医師)に具体的な措置を委ねます。
介護が必要になる場合も同じでしょう。
状況的に、とてもエネルギーを割くことができない場合、
もちろん、仕組みとして悪用されない、詐取などに利用されない等、細心の注意を払う必要はあるでしょう。
それでも、この種のニーズはこれから膨大になります。
最後に、
本日はたまたま証券取引の『代理人』をテーマにしましたが、
預金、不動産、保険など
さまざまな保有資産について、
包括的、あるいは選択的代理権の成立と(認知症等を発症後も)代理権が維持されるなどの、法令の整備が急がれるでしょう。
カテゴリ:金融機関にモノ申す