インデックス投資全般

どうしてETFでは『(日本を除く)先進国株式』があまり見受けられないのか?

2024年4月22日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

先進国株式インデックスファンド、
あるいは、
外国株式インデックスファンドと云われたりもしますが、

『中身』は同じです。

 

日本以外の先進国株式に
網羅的に投資するファンドであり、
たいへん知名度が高い投資信託です。

 

 

ところで、
「先進国株式インデックスファンド」って
どうしてこんなにポピュラーなのでしょうか?

 

(確定拠出年金でも必ずラインナップされていますし。)

 

 

 

 

 

まずは「マーケティング的な観点」から。

国内で設定されている投資信託は
日本人をターゲットにしています。

 

日本に住む日本人にとって、

まずは日本の株式が
(ほかの国々の株式よりも)
圧倒的に馴染み深いでしょう。

情報量も豊富ですし。

 

日本以外の『海外の株式』は
どうしても心理的に距離が遠くなりがちです。

 

 

そこをひとまとめにして、

 

効率的に
ギュッと
日本以外の先進諸国の株式をパッケージ化した商品が
「先進国株式インデックスファンド」なのです。

 

 

 

 

 

したがって、

この投資信託は、
オーストラリア人にあまりニーズがありません。
フランス人にもないでしょう。

 

 

日本人のために作られた「投資信託」といえます。

 

 

話はガラリと変わりますが、
次にETFです。

 

ETFの中に、
「(日本を除く)先進国株式ETFってあるの?」

 

んー、あまり聞きません。

 

 

いや、あるにはあるのですよ。

 

 

 

 

 

『国内に上場するETF』では、

 

・上場インデックスファンド海外先進国株式(1680)
・MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信(1550)
・NEXT FUNDS 外国株式・MSCI-KOKUSAI(ヘッジなし)(2513)

などが挙げられます。

 

いちおう
純資産額も数百億円単位でありますが、
いかんせん1日当たりの『売買高』が少ないのです。

多い時でも1日「数万口」程度。

 

なにより『運用管理費用』が
先進国株式インデックスファンドよりも高いのがネックでしょう。

 

 

 

 

 

わたしは基本、
国内に上場しているETFはお勧め致しません。
(日本株式のETFを除いて)

 

理由は、
米国に上場するETFに比べて、

国内上場ETFの「売買高」「純資産残高」いずれも圧倒的に見劣りするためです。

 

売買高が少ないと
流動性が低くなり、
純資産残高が伸びないとETFの永続性も保証されにくくなります。

 

 

もしもあなたがETFを購入されるなら、
⇒ 米国上場のモノを買う。

 

この一択でよいと思います。

 

 

 

 

 

逆説的になりますが、

米国上場のETFを買う前提でいえば、

日本人にもっともニーズがある
(日本以外の)先進国株式ETFが、実質ないのです。

 

実質・・?

ハイ。

存在するには存在するのですが、
到底お勧めできません。

 

「i シェアーズMSCI Kokusai ETF」(TOK)

当該ETFは、米国市場に上場する、日本を除く先進国株式のETFです。

 

しかし・・・。

 

 

画像元:Yahoo Finance US

 

純資産残高は「2億ドル」程度、
日本円で300億円くらいしかなく、

 

何より出来高が衝撃的です。

「694口」(4月19日時点)

 

これは、繰上げ償還を心配しないといけないレベルでしょう。

 

 

 

 

 

結果として、
米国に上場するETFを用いて、

・グローバルに分散投資を行い、
・自身で複数の商品を組み合わせたい場合、

 

実質、

〇 米国株式ETF
〇 米国以外の先進国株式ETF
〇 新興国株式ETF

のような「組み合わせ」か、

 

〇 米国株式ETF
〇 米国以外の全世界株式ETF

のような「組み合わせ」か、

 

VT(バンガードの全世界株式ETF)を選ぶことになります。

 

 

ETFで
自ら資産配分を作る場合は、

〇 アメリカ人の
『国・地域の分け方』に倣う必要があるのです。

 

インデックスファンドと
ETFの世界で様相が異なるのはこの部分でしょう。

 

 

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