インデックス投資全般

インデックス界隈で語り草になっている、バフェットさん VS. テッド・シーデスさんの『世紀の対決』をご存じですか?(2008年~2017年)

2024年4月21日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

あなたは
ウォーレン・バフェットさんと、

ヘッジファンド、
プロテジェ・パートナーズを率いるテッド・シーデスさんとの『世紀の対決』をご存じでしょうか?

 

少しだけ昔のはなしですが。。

 

 

バフェットさんは
巨大投資会社「バークシャー・ハサウェイ」を率いる投資の賢人ですが、

 

2006年のバークシャーの年次株主総会で
こんな提案をします。

 

「市場平均に連動するファンド(S&P500ファンド)を用いて、どのような運用会社の商品をも上回る成績を挙げてみせる。
だれか賭けに乗らないか?」

 

 

 

 

 

1年が経って、
上述のテッド・シーデスさんがその提案に乗ることになりました。

 

ここに『世紀の対決』が実現します。

 

 

S&P500インデックスファンドを推すバフェットさんと、
計100種類のヘッジファンドに投資するファンド・オブ・ファンズ形式のヘッジファンド5本を選択したシーデスさんの賭けです。

 

 

双方が100万ドルをベットして、
互いの『投資哲学』が競われることになりました。

 

 

この対決のポイントは?

ズバリ「10年間」という期間を設定したことでしょう。

(2008年のはじめから2017年の終わりまで。)

 

 

ただ、
インデックスファンドにとって、

2008年からの対決開始は、
ある意味「最悪」といってもよいものでした。

 

 

 

 

 

世界的な金融危機(リーマンショック)が起こり、その後もギリシャ危機や、欧州の一部の国でマイナス金利が採用されるなど、金融不安がくすぶり続けたためです。

 

事実、2009年の
「バークシャー・ハサウェイ」株主総会では、

この『世紀の対決』について
バフェットさんはひと言も言及していません。

 

(この時点ではシーデスさんのヘッジファンドの成績がS&P500インデックスファンドを上回っていたのです。)

 

 

ヘッジファンドは、マーケットの下落局面でもカラ売りを駆使できますし、投資対象は金利や通貨やコモディティに至るまで多岐にわたります。

 

では10年後、
最終的な『結果』はどうなったのか?

(2008年1月1日~2017年末)

 

 

バフェットさんが選んだバンガード500インデックスファンドは+125.8%のリターン。
いっぽう、シーデスさんが選んだ5つのヘッジファンドの平均リターンはわずか+36.3%。

 

インデックスファンドの圧勝でした。

 

 

 

 

 

この差は、
投資パフォーマンスの差異というより、
コスト(手数料)の圧倒的な違いによるものでしょう。

 

 

何しろ、
バンガード500インデックスファンドの年間経費率はわずか0.04%。

 

 

いっぽうのヘッジファンドは、
仮に1.5~2%の年間コストがかかるとして、

数多のヘッジファンドを束ね、
ファンド・オブ・ファンズ形式の
「ヘッジファンド」とするために、

外側のファンドでも継続コストがかかるため、
『手数料』を二重に課すことになります。

 

低く見積もっても、
年間トータルコストは2~3%になると推測されます。

 

 

 

2016年の年次株主総会で、
バフェットさんは対決相手に対して次のように発言しました。

 

 

「ここで留意すべきは、

 

土台となるヘッジファンドを運用する100人超のマネジャーのそれぞれが、最善を尽くす見返りとして巨額の報酬を得ていたことです。」

 

引用元:TRILLIONS(トリリオンズ)[物語]インデックス・ファンド革命

 

 

最後に、
対決の終盤段階であった2016年末時点の、
両者のリターンを「棒グラフ」で示しておきましょう。

 

 

 

画像元:Investopedia

 

 

わたしは
インデックス投資がこれほど世の中に広がったのは、

学術界や著名人からの
強力な「後押し」があったからだと考えています。

事実バフェットさんは、個人投資家にはインデックスファンドを強く勧めているのです。

 

 

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