投資家の感情リスク

自分をうまく騙す、あえて単純化する、それが投資を長く続ける秘訣

2024年4月9日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

つい7、8年くらい前までは、

日本株式、先進国株式、新興国株式3つの投資対象を『どんな比率で組み合わせようか?』と思案することが、リスクを取れる個人投資家の中心議題でした。

 

 

 

 

 

たとえば上記では、
「日本株式」という独立したアセットクラスを凝視することになります。

 

あなたは一度、首を傾けてから、

もちろん日本人ですから
日本株にもっとも馴染みがあり、
日本株についての情報量がもっとも多いため、

 

やっぱ日本株の比率を「そこそこ多めにしようかな」と迷ったりするわけです。

 

 

『組み合わせの比率を自身で決める』と、自分の主観(気持ち)が入り込むことになります。

 

 

それよりか、「各国の株式市場の大きさをもとに、機械的に全世界株式の組み入れ比率が決まっちゃったほうがよくない?」

 

という考え方が広まる『きっかけ』となったのが、

2017年に設定された『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』でしょう。

 

 

 

 

 

あの頃から、

自分を主人公とせず、
冷めた目で、あえて単純に、

『世界中の株式をワンパッケージで持つ』という方法論が広がり始めたのだと思います。

 

ある意味、自分をうまく騙すわけですね。

 

 

 

 

 

より正確にいえば、
自分で決定できる『スペース』を、あえて狭めるわけです。

 

 

 

もうひとつの話題は、投資信託の買い方です。

 

今でこそ、自動引落としによる「つみたて投資」はメジャーですが、実はこの投資実行法は 大胆不敵 です。

 

投資信託を購入する際の、

・いつ、
・金額ベースでいくらぐらい買うのか。

という自身の『裁量』
(自分で決定できるスペース)を、

はじめから放棄するわけですから。

 

 

資産運用業界では長らく、

 

「つみたて投資」は幼稚な、
資金をあまり持たないビギナーが実行する、例外的なリスク資産の買い方と見なされてきました。

 

(ちょっと小馬鹿にされてきたのです)

 

 

 

 

 

2009年12月に
ネット証券ではじめて
『千円・投信積立』を開始したのが当時のカブドットコム証券でした。
(現auカブコム証券)

 

画期的だったのは、
銀行口座からの自動引き落としによる「つみたて投資」が実現したこと。

 

 

つみたて投資では
ファンド価格が上がっても下がっても、

(あなたではなく)しくみが一定周期で、一定金額の「買い注文」を自動的に入れてくれるので、


あなたの感情的な行動は(自然に)抑えられます。


そして『投資の元本』が着実に積み上がります。

 

 

つみたて投資は、自分をうまく騙す手法の典型といえるでしょう。

 

 

 

 

 

ほかにも自分を騙す例はあります。

 

ほんとうは潤沢な安全資産があるのに
それが「ある」と極力感じないよう、

 

わざとふだん使わないネット銀行に
まとまった金額を預金したり、個人向け国債(10年物)を1000万円超保有したりとか。

 

投資の「窓口」を
意識しないようにするため、
アプリもダウンロードせず、

「ログインID・パスワード」もすぐわかる場所には保管せず、わざと窓口との距離を遠ざけているとか。

 

 

最後に、先月投資を始めた超々ビギナーなのに、

いきなり『平均』を獲得できるなんて私はラッキー!と自分をだますのが「インデックス投資」なのです。

 

カテゴリ:投資家の感情リスク

おすすめの記事