NISA活用法, 投資家の感情リスク

NISAはあなたの『欲望・増幅装置』?

2024年3月13日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

NISAがスタートして早くも2ヶ月以上が経ちました。

『1月効果』と言うべきなのでしょうか、
なるだけ早く入金をしようという人が思いのほか多かったように思います。

わたしは『12月効果』も起こると考えています。

 

 

 

 

 

すなわちこういう事です。

NISA(つみたて投資枠+成長投資枠)の
年間『投資上限額』は360万円であり、

それは翌年に繰り越すことが出来ません。


したがって今年の年末が近づくと、メディアの

「NISAの投資し忘れはありませんか?」
大合唱になると予想します。



(おそらく、
12月のNISAへの純資金流入は
1月に次いで多くなるのではないでしょうか?)

 



それそのものが「良くない」
というわけではないのですが、


SNSやメディアの無言の空気に押されて、

ほんとは投資に回すべきではない、

 

 

 

 


・次女さんの学資の一部の100万円や、
・クルマの買い替えのための200万円や、

ほんとうは
安全:リスク資産の「基本比率」上、

・持っておかないといけない預金の300万円を、

安易に(NISAで)投資するのは決してお勧めしません。

 

『年間投資上限額』に達しないと、「もったいないのでは?」という、内なる悪魔の声に負けてはいけません。

 

 

それから、もう一つ。

NISA最大のメリットは利益に対して『非課税』である点ですが、

これは売却時に税金を支払うことなく、
解約したお金がまるまる戻ってくるということです。
(※保有するファンドに信託財産留保額がない場合。)

 

これってまるで夢のようであり、

この魅力は強烈であり、

仮に『投資元本200万円、評価額260万円』となって、

利益が今60万円もあるよ!!
という人は(もしかすると)現におられるかもしれません。

 

 

 

 

 

まだNISA制度は始まったばかりなのに、

「今売ったら、60万円儲かる!」と夢想し、

売っちゃおうか?
売ってしまおう!

と、独り心の中で
盛り上がる人が(すでに)おられることでしょう。

 

ハッキリ申し上げます。

NISAは
あなたの『欲望・増幅装置』なのです。

 

この「箱」は、よほど注意して利用する必要があります。

 

 

いいですか、

小さな利益に対して、いちいち反応する(=ファンドを売却する)を繰り返すと、長期投資からどんどんどんどん離れていってしまいますよ!

 

 

 

 

仮に『投資元本500万円、評価額760万円』ともなれば、

「ここらで『半分』だけ売っておこうか?」
という 悪魔の声 は脳内で8回も10回も響くことになるでしょう。

 

 

実際、NISA口座の中で、投資信託を「いつ」「どのくらい」売るかは、みなあなたの自由なのです。
自由 と 自律。むずかしい。

 

 

もしかすると、

今のように株式市場が好調すぎると、
遠からず『調整局面』を迎えて、

 

NISAにおける利益が
260万円から100万円くらいにまで減って、
「ああ、あのとき半分でも売っておけば良かった・・」と後悔するかもしれないわけです。

 

 

 

 

 

 

『非課税』という特典は無期限で続くため、「あなた」と「目まぐるしく変わる含み益」との、じめじめした陰鬱な駆け引きは、ずっとずっと続きます。

 

でも、それが『長期投資』なのです。

 

 

加えて、新NISAでは、たとえファンドを売却しても、

その元本相当額については投資枠が『復活』するため、

 

「どうせ投資枠も復活するんだから、ここで200万円くらい売っておこう!」というインセンティブが強烈に働くことになります。

 

 

 

誤解を恐れずにいえば、
あなたはシーズン1からシーズン8くらいまである、長大な物語(NISA)シリーズの中で、『非課税』×『投資枠の復活』という甘い罠(わな)との戦いを強いられます。

 

 

 

 

 


この戦いは決して甘くありません。

『小さな利益をいかにやり過ごすか?』『自分がいかにオトナの姿勢を振る舞えるか?』という、感情リスクとの戦いになります。

 


あなたが真に気にするべき利益は、

『投資元本1800万円、評価額3600万円』というスケールの利益なのです。

 

カテゴリ:NISA活用法, 投資家の感情リスク

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