投資信託あれこれ

ファンド保有者の『平均年齢』をなるだけ上げない(実はとても大切なことです)

2024年3月8日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

金(ゴールド)の専門家である豊島逸夫さんの
『3つの目』のお話が好きです。

 

3つの目とは?

虫の目、魚の目、鳥の目です。

 

 

 

 

 

虫の目は、
今、何が起こっているのか」の分析。

 

投資信託に当てはめてみましょう。

今、ファンドを買う人が着実に増えています。
(NISA制度が起爆剤になっています)

 

 

NISA(ニーサ)ということば自体、
ひょっとすると今宵も
新橋あたりのスペインバルで、
複数の箇所から聞こえてくるかもしれません。

 

 

次に・・・、

魚の目は
これから中期的に、潮流がどうなるのか?」の分析。

 

 

・少子高齢化(人口減少)
・社会保険料・税負担の増加は避けられないため、

自助努力によって
自らお金を育てる行為(資産形成)は、
世の中に広まっていくと思われます。

 

 

 

 

 

中期的に
投資信託の保有者は増加し続ける・・。

 

 

そして・・・、

鳥の目は、
長い目で見て全体がどう変化していくのか?」の分析です。

 

 

実のところ
長い目で見た場合、

投資信託という市場(日本)では
避けがたい問題が横たわります。

 

それは『ファンド保有者』の平均年齢の上昇です。

 

 

すでに、
日本の人口のボリュームゾーンは
50代以上になっています。

 

 

 

 

「投資信託の保有者は増加し続ける。」と先ほど述べましたが、

仮に、

 

20~30代の投資未経験者のうち「3割」が、
50~60代の投資未経験者のうち同じく「3割」が等しく向こう5年内に、


投資信託で投資を始めて、
それを継続させたとしても、

 

 

画像元:国立社会保障・人口問題研究所

 

上記人口ピラミッド(2030年)が示すように

圧倒的に50代以上の人口比率が高く、若年層の人口比率は減っていく一方であるため、

 

投資信託保有者の『平均年齢』は逓増していかざるを得ないのです。

 

 

また、
少なくとも2015年くらいまでは、

投資信託の市場そのものが
50代以上のシニア層によって寡占されていたといっても過言ではありません。

 

つまり、

 

20代~30代の、
新規の投資(投資信託)参入者を
圧倒的に増やしていかない限り、
ファンド保有者の『平均年齢』をキープ、
もしくは低下させることは難しいのです。

 

 

 

 

 

が、
希望はあります。

 

 

投資信託協会が毎年
投資信託に関するアンケート調査報告書』を出しているのですが、下記が直近3年間の、ファンド保有者の平均年齢(平均値)の推移です。

 

「右端」にご注目ください。

 

 

 

 

若干、盛り返していますね(2023年の平均年齢は50.3歳

 

わたしはこの投資信託保有者層の
「平均年齢」を2018年~2023年分まで調べ、時系列で記してみました。

 

 

 

なんとか頑張っているのではないでしょうか。

 

 

 

今年(2024年)は
『ファンド保有者・平均年齢』が
40代になるかもしれません。

 

 

わたしは、

20代、30代の人たちが
貯蓄オンリーから
大きく投資(投資信託)へシフトしてこそ、投資信託は長持ちすると考えます。

 

 

魚の目(5~10年)で見れば、
ファンド保有者平均年齢が上がっていっても、

投資信託全体の市場規模は
堅実に拡大していくでしょうから、表面上はなんら問題はないわけです。

 

 

しかし、
鳥の目で見た場合、

平均年齢が58歳、62歳、65歳と上がり続ければ、

投資信託に未来はありません。

 

 

 

 

 

なぜなら、
人は老い続け、投資信託保有者全体の中で「老齢層の比率」が拡大し続けると、

 

やがては、ファンドを解約し、資金を取り崩していく人ばかりになるためです。

 

 

投資信託が「世代」を超えて、
長くしぶとく生き続けるためには、

保有者の『平均年齢』を上げてはいけないのです。

 

カテゴリ:投資信託あれこれ

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